Pneumonia【紫】

◇ Last File . ページ21

.






な「みんな、リレー生放送楽しみにしてたでしょ？
リスナーさんもメンバーも楽しみにしてるのに、

俺の体調のせいで中止なんて、絶対したくなかった。

だって俺は、俺たちは
リスナーのみんなを笑顔にしたい、幸せにしたくて
この活動を始めたんだ。

俺のせいで、そんな台無しなことなんてしたくなくて…」





さとみくんの問いかけに
ありのままを答えた。

彼は顔色ひとつ、俺の言葉を聞いてくれた。

そしてゆっくりと口を開いた。





さ「病人じゃなかったら殴ってたな。」

な「ご、ごめんって…」

さ「確かに俺らは、みんなを笑顔にしたい、
幸せにしたいって思ってるよ。

でもその中に、なーくんも含まれてるんよ。

なーくんだけじゃないよ、
ジェルも、莉犬も、ころんも、るぅとも、
もちろん俺もだ。

なーくんが笑顔じゃなければ、俺らは不安になる。
なーくんが幸せじゃなければ、俺らも幸せじゃないよ。

なーくんが無理してたら、俺らは心配なんよ。

だから、頼ってほしい。
頼られた分、俺らは絶対に力になれるよう努力するから。」






ふわりと笑うさとみくんは
俺の手をぎゅっと握ってくれた。



俺は多分、馬鹿だったんだろう。

こんなにも素敵なメンバーに囲まれてるのに
頼ることすらしてなかったなんて。





俺はさとみくんに、
泣きながら謝って、泣きながらお礼を言うことしか

出来なかった。





.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す