Pneumonia【紫】

◇ File5 . ページ18

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【side Jel】





病院に着くと、待合室に座るさとちゃんを見つけた。


項垂れて、俯いてて、泣いていた。






ジ「さとちゃん。」

さ「…ジェル……俺、」

ジ「何も言わんでええよ。」

さ「ふ…うぅ……」

ジ「なーくん…心配やな。」






隣で泣くさとちゃんの背中を
俺はゆっくりゆっくりと撫でた。

頼ってほしかったって思ってんのやろ？さとちゃん。



でも、なーくんも
この事を言えない理由があったんかもしれん。


なーくんは人一倍努力家やけど、
人一倍溜め込んでしまうんや。

頑張ろう頑張ろうって気持ちが積み重なって
それが一気に、崩れてまうんや。






ジ「頼られてないわけやないと思うで。」

さ「うん…」

ジ「多分、言えんかったんよ。」

さ「…うん……」

ジ「それがどんな理由でも、
ちゃんと受け止めてあげような。

俺らのリーダーは、凄いんやから。」





さとちゃん、落ち着いてくれたかな。


なーくんがおらんこの状況で
しっかり出来るんは、俺とさとちゃんだけ。

さとちゃんがこんななってるんなら、
しっかりするのは俺しかおらん。




って思ってんのになぁ……








さっきから手が震えてるんよ。


なーくんに何かあったらどうしようって
思っては、怖くて怖くて震えてしまう。






さとちゃん、お願いやから
気づかんどってな。






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