な組の若頭 ２【stxxx】

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【side Root】





窓の外から女の人たちが逃げていくのが見えた。

その中にも、
依頼主の娘らしき女の子が居るのを確認しては、
ご依頼達成したことをAに告げる。





「A、ご依頼達成したよ。帰りましょう。」

《『了解』》





ブツブツと途切れる無線。
これももう要らないな。


僕はその辺に壊れかけの無線を投げ捨て、
建物から出ようとすると、

後ろから気配を感じた。





「誰ですか？」

「…」

「なるほど、この組織のボスあたりの人ですか？
すみませんね、ご依頼だったので」

「……な組の組員って言ったな。」

「はい？…っ……！？」





気がつくと頬にピリピリと痛みが生じた。

瞬間的にナイフを投げられ、
それが頬に当たったみたい。

くそ…油断した……





「お前を絶対にここで殺す！」

「はぁ…僕を傷つけたこと、後悔してほしいです。」





僕は女装姿から早着替えし、
いつもの向日葵色の羽織を羽織った。

やっぱこの格好が落ち着くな。





「お前っ…」

「ん？あれ？顔色が宜しくないですが…
どうされました？」

「なんでっ…なんでお前がその羽織を…！！」

「羽織…あぁ……
この羽織に見覚えがあるんですかぁ？」

「こ、殺さないでくれっ……！！」

「それはできない相談ですね。」






僕は床に落ちていたビール瓶を拾って
高々に掲げた。







この羽織に見覚えがある人物なんて、



















滅んでしまえばいい。






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