な組の若頭【stxxx】

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ふわりと舞うように近づいてきた男の子は
綺麗で、まるで蝶のようだった。




「これ、全部君がやったの？」

「ちがっ…俺はこの男をっ……」




未だに震えが止まらなかった。

落ち着いた声の男の子に
俺は縋り付くように事実を話した。

理解をしてくれた男の子は
俺に優しく微笑みかけた。





「そっかそっか。
君はこの男だけを殺ったんだね？」

「……うん」

「君の名前を教えてくれるかな？」

「……橙馬(とうま) 依瑠(える)…」

「えるくんか。
俺は、竜胆 ななもり。ねぇ、えるくん？

良かったら、俺の組に入らない？」





優しそうな雰囲気の彼は
そっと俺に手を差し伸べてくれた。

選択肢はひとつしかなかった。



この人についていくべきだと。




俺は彼の手をぎゅっと握ると
彼はふわっと更に優しい笑顔になった。




彼の家に行った後、
"な組"の存在を知った。

そして、彼が次期組長だということも知った。





「ようこそ、な組へ。」

「ななもりさん…」

「なーくんでいいよ！」





これがなーくんとの出会いで


俺がな組の組員になったお話。





そして、俺がAと出会ったのは
な組に加入した翌日の朝だった。





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