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「……女の子がおる。」

「ん?あぁ、Aのこと?」




茶の間で、お茶をゆっくり飲んでる女の子を見つけた。

なーくん曰く、Aというらしい。


俺の4つ下で、今は7歳だという。





『なーくん、おはよ』

「おはよ、A!」

『おにいちゃん、だれ?』

「あ、えっと…」

『?まぁいっか。な組に入ったの?
何人殺めたの?なんでな組に入ったの?』

「こらこら、A。
えるくん困ってるから質問攻めしないの。」





Aの第一印象は、"不思議な子"だった。


死への恐怖を感じないような、
少し変わった子やと思った。

まるで何も感じない、何も興味無い、
そう言われてるような、そんな感覚。




「えるくん、お父さんが呼んでたから
一緒に行こっか。

さとみくーん。」

「んー?なに、なーくん。」

「Aのこと、頼んでもいい?」

「お、いいぜ。新入りか?」

「そうだよ、後で紹介するからAをよろしく」

「了解。よしA、遊ぼうぜ!」





ピンク色の羽織を着た男の子は
Aを抱えてどこかに行ってしまった。


そして、"行こっか"と微笑んできたなーくんの後ろを
ただ俺は黙ってついていった。





案内されたのは、
今日から俺の部屋になる場所だった。

そこには、沢山の色の羽織があった。


"好きなの選んでね"なんて言うなーくんは
どこか嬉しそう。

目に止まったのはオレンジ色の羽織。





「山吹色の羽織だね!これにする?」

「うん、これにしよかな。」





羽織ってみると、なんだか自分にしっくりきた。

何故かって聞かれても、
なんとなくしか言えないけど、

この色が自分に合う気がした。




俺は、この時
自分の名前を捨てることにした。

施設で育って、
先生につけてもらった名前。


でも、俺は新しい俺になるって決めたんや。





「なーくん。」

「ん?どうしたの?」

「俺、今日から"山吹 ジェル"として生きていく。

この羽織に見合うような、な組の組員になるから
指導、よろしくな!」





そして、俺はなーくんと約束した。















"大切な人を失わないようにしよう"ってな。





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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時

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