貴方はどちらを選びますか【黄】

. ページ6

.





「あのぉ…」

『はひ…』





話しかけてみると、

大きな可愛い瞳に涙が溜まっていて
今にも泣きそうな彼女の姿が。






「有澤 Aちゃんですか？」

『え、そうですけど…』

「社員証落としてましたよ？
これないと、入れないですよね」

『え、待って神ですか？ありがとうございます！
わぁぁ…見つかって良かったよぉぉ……』

「ふふ、良かったです」






社員証を包み込むように抱きしめて
僕に感謝を伝えてくる彼女のその笑顔は、まさに天使。

なんだか羽根のエフェクト見えるなぁ

多分気のせいだと思うんだけど。





その後、名前を聞かれたから
自己紹介をすると、嬉しそうに彼女も名乗ってくれた。

可愛いなぁ。



オフィスに入り、
営業部の皆さんに自己紹介をすると
彼女も続けて緊張しながらも自己紹介をしていた。


どうやら、Aちゃんとは同い年らしい。

んふふ、嬉しいなぁ。




僕は名前の書いてあるデスクについては
すぐに荷物を置いて仕事に取り掛かった。

営業関連の業務は
頭の中に叩き込んであるから、すぐにこなせた。


隣のデスクに座るAちゃんは
ため息をついては、ぐだぁっと体勢を楽にしていた。


まぁ朝から、
ぶつかるし社員証落とすしで大変だったもんね。

僕でも多分そうなっちゃうよ。





Aちゃんを横目に微笑んでると
オフィスの入口から黄色の悲鳴が聞こえた。


あぁ、多分あの人だ。











僕の嫌いな、








業績トップの人。




.

.→←☆ 2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す