貴方はどちらを選びますか【黄】

☆ 7 ページ25

.




Aちゃんと付き合って
３ヶ月ほど経った。


"大事な話がある"と連絡が来たため
僕はその日、Aちゃんのお家に急ぎ足で来た。


そこはまぁ、立派なマンション。

初めてAちゃんのお家にお邪魔するわけで
緊張気味だ。



チャイムを押すと、"どうぞ〜"と
可愛らしい声が聞こえては立派なドアが
ウィーンと開く。


部屋番号は623号室。

エレベーターで6階まで昇ると
エレベーター前に仁王立ちする可愛い彼女が。





「あ、Aちゃん。おはよ！」

『おはよ、るぅちゃん…』

「ど、どうしたの？」

『今から会う人に心してかかれよ…』





え、どういうこと……？

心してかかれって…
僕、今日命日かなにか？





「えっと…何があったの？」

『あに。』

「あに？」

『今日、兄が来てて…
るぅちゃんに会いたいって言ってて…』





え？あに？

僕に会いたい？


待って僕本当に命日かもしれない？






『まぁ、とにかく入って。
大事な話ってのは兄がいるからってことなの…』

「あ、えっと、うん。頑張るよ」






僕は恐る恐るAちゃんの部屋の玄関に入った。

入った途端、Aちゃんの匂いが
鼻をくすぐってくる。

そうだな、石鹸みたいな匂いなの、Aちゃん。
すっごくいい香り。



そしてリビングのドアを開けたと同時に
僕は固唾を飲んだ。






そこには、

正座をしてこちらを見つめるお兄さんの姿があった。







.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す