貴方はどちらを選びますか【黄】

. ページ14

.





意を決して伝えよう、この想い。


"好き"


この2文字さえ伝えられたらそれで良い。

頑張れ僕っ…！





なんて思っていた。

現実はそう甘くないみたい。






『心配で見てられないんだよね！？』

「…はい？」

『るぅとくん気づいてあげられなくてごめんね…
私、これからちゃんと頑張るから！』






何をどう解釈してそうなったの？
Aちゃん…

僕はそういう意味じゃっ……




って、もしかして
まだ言うべきじゃないってことなのかな？

何事にもタイミングが大事だ。

もしかしたら、そのタイミングは
今じゃないのかもしれない。



そう思うと何だか笑いが込み上げてきた。

その後、莉犬が半ベソの状態で
戻ってきてはそのまま解散した。







駅まで一緒だという莉犬とAちゃん。



大丈夫かなぁ、なんてのと

莉犬、奪ったりしないよね？なんてのが入り混じって

多分僕は2人を心配そうに見つめてたのかもしれない。



そんな中、その視線に
莉犬がいち早く気づいてくれて、
僕の元に小走りで向かってきた。





「どしたの？莉犬」

「あはは、心配そうに見てたから」

「む…」

「大丈夫、奪ったりしないよ」

「〜〜！わ、分かってるから！」





"ぐっばいび！"なんて言いながら
またAちゃんの方に小走りで向かう彼は

僕思いの良い友達だと思う。






そんな友達をもっともっと、

大切にしていきたいな、と思いながら



僕は帰路を歩いた。





.

☆ 4→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す