◇ ページ30
.
【さとみ Side】
下駄の音が聞こえた時、
俺の世界は一瞬にして固まってしまった。
時が止まったかと思ったんだ。
目の前の彼女があまりにも可愛くて、
あまりにも色っぽくて。
『お待たせしました〜！』
なんて可愛い声で可愛い格好で言っちゃってさ。
なに？誘ってんの？
大人数で花火を見ることに惜しい気持ちがあった。
2人きりで見れたら絶対幸せだったのに。
「あ…いや、大丈夫だよ」
溢れそうな気持ちを抑えながら
俺は返事をする。ちょっと不自然なね。
綿菓子を食べる君は甘くて美味しそう。
そんな君は優しいから誰にでも、
食べかけの綿菓子をあげちゃうんだよね。
ほら、るぅとなんて嬉しそう。
るぅとは分かりやすいからなぁ〜。
俺はそんなことを思いながら右手に持った、
りんご飴を口に含んだ。
まぁ花火大会といったらりんご飴だよな。
美味いし、見た目も可愛いしさ。
りんご飴をただ食べ続けてると、まぁ彼女と目が合っては、
慣れない下駄で俺の元へ駆け寄ってくる。
そんな姿も可愛いんだよね。
「どったの。」
『さとみさんのりんご飴ひとくちください！』
「え…あー、いいぞ。ほら。」
『……ん！んまっ！えへ、ありがとうございます♪』
ひとくちかじって、ころんのチョコバナナを
貰いに駆けて行ったA。
かじった部分を見つめては
俺はため息をこぼす。
こんなんで意識しちゃってる俺は
まだまだ子供だなぁ……ってね。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかさ(プロフ) - とても素敵な小説でした！ (2020年8月11日 1時) (
レス) id: d74848b20e (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 優@青い彗星さん» 読んでいただいてありがとうございました！！ (2020年8月2日 9時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
優@青い彗星 - めちゃくちゃ素敵な作品でした。ありがとうございます！見てて幸せな気持ちになりました！ (2020年8月2日 6時) (レス) id: 54313a5dac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めあり
| 作成日時：2020年7月8日 15時
