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【さとみ Side】





『おかえりなさい、もうすぐ出来るんで
着替えてくださいねー。』


そう言う彼女は冷えたグラスをテーブルに置いた。



彼女の今の姿は俺から見たら魅力的だった。


普段きっちりとシャツのボタンを閉めてるのに
上の一つだけ開いてたり、腕まくりしてたり……

1番は俺が普段使ってるエプロンをつけてること。

これが1番刺さる。なんだろ、えろい。


雛瀬をこんな風に見たのは初めてで
正直戸惑っている自分がいる。


だってさ、めちゃめちゃ可愛いの。

普段おろしてる髪をひとつに結んでるのとか
めちゃめちゃ最高じゃん。


たかが後輩なのになんで…

俺、もしかしてお前のこと……




『さとみさん……?』




雛瀬の声で我に返れば、
適当な返事をしてボーっとしていたらしい。

心配そうに覗き込む彼女にさらに胸が高鳴る。

淡いブラウンカラーの瞳に吸い込まれそうな、
そんな感覚。



「お、おぉ!俺の好きなハンバーグ!雛瀬、ありがとな。」

『…? よくわかんないけど早く食べましょ!さとみさん』



なんとか誤魔化せたが、
見た目も可愛いし性格もいいし
おまけに料理もできるとか、さすがすぎね?

やべぇ、嫁に欲しいわ。

って俺何考えてんだよw




それから雛瀬は週2で俺にご飯を作ってくれた。

いつかこいつが毎日俺にご飯を作ってくれたらと
思うようになる頃には、






___お前の苗字は変わってしまった。






今はちゃんと祝福してるよ。

尊敬する社長が相手ならそれで良いと思った。




もうお前は二度と俺にご飯を作ってくれることは
多分きっとないと思う。


初めて俺にご飯を作ってくれた日から2年半後。


俺の隣の部屋は今誰も住んでいない。

毎日聞こえていた音楽も何も聞こえなくなった。



「腹減ったな。」



ポツリと呟いては立ち上がって
コンビニに行くために玄関に向かう。

靴を履いてガチャっとドアを開けると……




『うわっ、びっくりしたぁ…あれ?さとちゃんお出かけ?
ご飯作りきたんだけど食べる?』




前と変わらない笑顔でそういう彼女に俺は微笑んだ。





やっぱりこいつの飯は美味い。




.

◆ 旦那の私の好きなところ→←◇



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みかさ(プロフ) - とても素敵な小説でした! (2020年8月11日 1時) (レス) id: d74848b20e (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 優@青い彗星さん» 読んでいただいてありがとうございました!! (2020年8月2日 9時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
優@青い彗星 - めちゃくちゃ素敵な作品でした。ありがとうございます!見てて幸せな気持ちになりました! (2020年8月2日 6時) (レス) id: 54313a5dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年7月8日 15時

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