君が目覚めなくなってから【stxxx】

▽ ページ48

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「ちょ、るぅちゃん！？辞めてや！」

「手加減しないって言いましたよ？」

「嫌や！嫌や！待ってや！ああああ！」

「ふぁっははっはははwww」



某大乱闘ゲームをしては盛り上がる僕とジェルくんを横に
癖の強い笑いをするさとみくん。



「ころちゃん、ここ押して？」

「え？…いった！！！！は？！なんなん！？なーくん！？」

「それうちの会社で流行ってるビリビリボールペンだよ。」

「わんわん何なーくんに持たせてんだよ！
変なもん流行らすな！！！バカ！！！」

『ころちゃんかわいい…』

「は！？！？」



あっちはあっちで盛り上がってるなぁ〜






幸せと思える時間が戻ってきたんだ。


最初はつらくて悲しくて、死にたかった。




生きていてなんの意味があるのか分かんない。

真っ暗闇に放り込まれた、そんな感覚で。




大切な人が真っ赤に染まったあの日。

赤色が嫌いになったあの日。

眠る君を見て泣いたあの日。

友達と喧嘩したあの日。

友達と会わなくなってしまったあの日。




悲しい秋。

切ない冬。

嬉しい春。

そして、試練を乗り越えた夏。



神様を恨んだ。

神様に願った。

神様は微笑んだ。



神様は意地悪で優しかった。



僕達が今こうやって笑い合っているのは
きっとこれは"奇跡"なんだと思う。


僕達が幸せに暮らしているのも"奇跡"なんだと思う。




「ねぇみんな毎年恒例の乾杯しようよ！乾杯！」

「お！なーくんさすが！やりますかねぇ！」

「さとちゃんノリノリやんw」

「あぁ！ジェルくん袖にマヨネーズついてる！」

「そういう莉犬も顔にケチャップつけてるよ」

「そういうるぅとくんもだよ。」

『皆おっちょこちょいだねwほらほら乾杯しますよ〜』


僕達はキラキラと輝くグラスを掲げては
一言ずつ喋っていく。



「今年は専務になって大変な1年でした」

「俺は収録が忙しくて…でも楽しかった1年やった！」

「僕はるぅとくん振り回された1年だったよ」

「僕もころちゃんに振り回された1年でした」

『私は家事をめっちゃ頑張った1年だったよ！』

「俺は出張ばかりの1年でした…」

「俺も社長として大変な1年だったけど、
この仕事にやり甲斐があります。
来年も再来年も5年後も10年後も！！
みんなでこうやって集まって、かましていこう！！
それじゃ……」




「「「「「「『乾杯！！！』」」」」」」





笑って泣いて怒っての繰り返しだったけど、

僕はこのメンバーが大好きだ。






【完】

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