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▼ 強さ ページ39

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隣で膝から崩れ落ちた親友を見て
僕は大好きな女の子の顔を見る。



その顔は笑顔で。

表情と発言が全く合ってなくて。


僕の頭の中は疑問でしか無かった。




「…うぅ………」


僕の後ろで声を堪えて涙するのはジェルくん。
そしてジェルくんの背中をさするなーくん。

多分2人は知ってたんだと思う。

さとみくんは俯いていて、
ころちゃんは変わらずスマホを弄っていた。



『あはは…ごめんね。言えてなくて。
結構事故が悲惨だったみたいで!
もうね、足に力入んないし感覚ないしで大変なんだ!
へへ……あは…』



笑顔の彼女はポロポロと涙をこぼす。

そして、僕はまたあの感覚に陥った。






"なんで僕じゃなかったんだ。"






代われるなら代わりたい。
君がそんな代償を背負わなくていいんだ。

どうして君なんだ。

どうして……




そう思いながら俯いていると
隣で膝から崩れ落ちた莉犬がガバッと立ち上がった。




「A。」

『お…兄ちゃん…?』

「大丈夫だよ。」

『え…?』

「歩けなくたっていいじゃん。
その分お兄ちゃんが支えてあげるよ。
動けなくなったって大丈夫だよ。
俺がお前をどこへでも連れてってあげるよ。」




そう告げた莉犬の横顔はかっこよくて。


僕なんか、代ってあげたいとマイナスに考えちゃって。

莉犬はプラスに考えてて、すごいなって思う。



僕に無いものを莉犬は持ってるんだ。



『お兄ちゃん…ありがとう』

「うんうん!みんなもいるから。
最初は不安だと思うけど乗り越えていこうね。」






はぁ、莉犬を見習って強くなんなきゃな。





いつかAちゃんと同じ道を歩けますように。





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めあり(プロフ) - ぽてちさん» ぽてちさん!覚えてますよ〜!お名前覚えとくって言ったじゃないですか〜w 読んでいただいてありがとうございます!結構メンバー共に辛いお話なんですけど、そんなに泣いてくださるなんて……本当にありがとうございます(;▽;) (2020年12月28日 7時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち - ぅふぅ…(泣)号泣しました…(泣)涙どばどば鼻水ぐちゅぐちゅ((です…(泣)いいお話ありがとうございました…(泣) (2020年12月28日 0時) (レス) id: b2d3651b15 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち - めありさん» めありさんこんにちはっ!めありさんの色々なお話読ませていただいていたぽてちです!覚えてるかな…覚えてるわけないか(・ω・`)今読んでるとこはページ6〜7くらいです()病院で電話を控える注意書きあって笑いましたwめありさんの作品ほんと好きです! (2020年12月28日 0時) (レス) id: b2d3651b15 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - すとぷり好きさん» ありがとうございます!天才小説家なんて恐れ多いです…!読んで頂いて嬉しいです♪ (2020年7月9日 18時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
すとぷり好き - ちょっと!めっちゃいい話でめっちゃ泣いたんだけど!天才小説家なれる!!!! (2020年7月9日 17時) (レス) id: 315fcda94b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年6月24日 9時

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