君が目覚めなくなってから【stxxx】

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【Side ころん】





「ちょっと出てくるから待っててころちゃん。」



そう言ってきた彼は僕におにぎりが入った袋を
手渡してはすぐに病室から出ていってしまった。


取り残された僕と眠るAちゃん。


黙ってるのもあれだし、
僕はAちゃんに話しかける。



「ねぇ、Aちゃん。
君、いつまで寝てるつもりなの？
そろそろ起きてくんないと、
るぅとくん毎日、君のことを思い出しては泣いてんだよね。」

『…』

「もう僕さ、るぅとくんの悲しい顔とか泣き顔とか
見たくないんだよね。」

『…』

「僕は君が羨ましいよ。みんなから愛されてて。
こうやって毎日のようにお見舞いに来てもらえてさ。」

『…』

「ねぇ、なんとか言ったらどうなんだよっ…」





僕の気持ちなんて彼女に届かないんだ。


僕のこの言葉も届くことはない。





「ほんとずるいよ、君。
るぅとくんから好意を向けられててさ。」

『…』

「君には勝てやしない。
僕が頑張っても頑張っても君には勝てない。」

『…』

「寝てばっかで羨ましいよ。
僕はるぅとくんが消えてしまいそうで寝れないってのに。」

『…』

「……ずるいよ……うぅ…」






君は彼女ばかり見て僕のことは見てはくれない。

君は彼女ばかり想って僕のことは想ってくれない。



こんなにも近くにいて
こんなにもアピールしてるのに。



僕の"想い"は届かない。


僕は一生、彼女に勝てない。







神様、どうか僕にチャンスをくれませんか。







そう思いながら僕は涙しながら、彼の帰りを待った。





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