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【Side 莉犬】




やってしまった。


俺の頭の中でこの一言が俺の脳の全てを埋め尽くす。



涙は止まらないし、嗚咽も止まらない。

病室から出ていく親友の姿を見ては
後悔の気持ちでいっぱいだった。


追いかけたかった。


でも足が思うように動かなくて。

ただ地面にすがりついて泣くしか出来なかった。





るぅとくんは悪くなんかないのに。

あの時分かってたじゃん。


妹の勇気ある行動からの引き起こした事故って。


るぅとくんは妹と出かけていただけ。

たまたまその日、その場に居ただけなんだ。



どこが悪いんだ。
1ミリも悪くないのに……なんで俺…



ごめん…ごめんね……ごめんなさい…





**





「…るぅとくんは…?」


落ち着きを取り戻した俺は、
隣に居たころちゃんに話しかけた。



「るぅとくんなら帰ったよ。」



スマホを眺めながら淡々と言う彼は
どこか怒っているような感じがした。

原因は確実に俺なんだけどね……




「莉犬、落ち着いたん?」

「飲み物いる?ほら、涙も拭いて。ね?」


病院の売店に行ってたらしい、なーくんとジェルくんは
飲み物を片手に病室に戻ってきては、優しく接してくれた。



「……ありがとう」


手渡しされた飲み物はひんやり冷たいレモンティー。

黄色のボトルを見つめては大好きな親友を連想させる。



あぁ…
俺はなんて馬鹿なことをしてしまったんだろう。




ただの八つ当たりじゃんか……






「わんわん。」



ころちゃんが俺をあだ名で呼んでくる。

珍しいな、なんて思いながら彼を見ると
彼は真剣な顔で俺を見つめてきた。



「見損なったよ。」



真顔から急に笑顔でそう言うころちゃん。



バチが当たったんだ。






こんな俺の事を神様は怒ってしまったんだ。






当然な報いだね…






___ごめんね、るぅとくん。


俺はまだ、君に顔を合わせる勇気がありません。






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▽→←▽



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めあり(プロフ) - ぽてちさん» ぽてちさん!覚えてますよ〜!お名前覚えとくって言ったじゃないですか〜w 読んでいただいてありがとうございます!結構メンバー共に辛いお話なんですけど、そんなに泣いてくださるなんて……本当にありがとうございます(;▽;) (2020年12月28日 7時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち - ぅふぅ…(泣)号泣しました…(泣)涙どばどば鼻水ぐちゅぐちゅ((です…(泣)いいお話ありがとうございました…(泣) (2020年12月28日 0時) (レス) id: b2d3651b15 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち - めありさん» めありさんこんにちはっ!めありさんの色々なお話読ませていただいていたぽてちです!覚えてるかな…覚えてるわけないか(・ω・`)今読んでるとこはページ6〜7くらいです()病院で電話を控える注意書きあって笑いましたwめありさんの作品ほんと好きです! (2020年12月28日 0時) (レス) id: b2d3651b15 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - すとぷり好きさん» ありがとうございます!天才小説家なんて恐れ多いです…!読んで頂いて嬉しいです♪ (2020年7月9日 18時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
すとぷり好き - ちょっと!めっちゃいい話でめっちゃ泣いたんだけど!天才小説家なれる!!!! (2020年7月9日 17時) (レス) id: 315fcda94b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年6月24日 9時

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