story.15 ページ16
・
そのあとは予定通りに大家さんの家に行き、
朝ごはんをご馳走してもらった
昨日はあまり話すことのできなかった息子さんの
開人くんとも話すことができ、私の気分は比較的良かった
……しかしそれもあくまで“さっきまで”の話である
今現在、私の目の前には先程の男、沖矢昴が再び現れていた
『…部屋に戻ってもいいですか?』
沖「!…あ、朝!!」
『え、?』
沖「…朝はすみませんでした」
…わざわざそれを言うためにここで待っていたの?
……じゃあ悪い人では無いのかな
『気にしてないです
…沖矢さんでしたよね?隣人同士よろしくお願いします』
だから…少しくらいの交流ならいいかな…少しね
『じゃあ、私は帰るので』
そう言って部屋のドアノブに手をかけた時、
沖矢さんに腕を掴まれた
…なんかデジャブ
さっきもこんなことされた気が…
沖「あ、あの…実は」
『…?』
沖「…ミラ、さんの大ファンなんです…」
『…はい?』
……なんで私がミラだって知ってるの?
私言ってないし、変装もしてる
大家さんにはバレてしまったけど…それは開人くんに見られたからで…この人にはバレる要素がない
もしかして記者のヤツら?
ここまで追いかけてきたの?わざわざ?
こっちは芸能界やめたの……だからもう追いかけないで
沖「──!」
引っ越さなくてはならない?
そんなのはイヤ、せっかく仲良くなれた人がいるのに…
それに─
沖「美蘭!!」
『!…は、はい!』
沖「…大丈夫ですか?」
『…はい
聞きたいことがあるんですがいいですか?』
沖「!…もちろんです!」
『なぜ私がミラだと分かったんですか?
帽子だってメガネだってしてる…普通は気が付かない』
疑いの眼差しを向け、1歩沖矢さんから遠ざかる
おおかた、記者だろうと予想していた
しかし沖矢さんの口から出た言葉は予想外のことだった
沖「…ファンということは本当です
……いや、あなたの第1号のファンと言っても過言ではありません!!」
『……は?』
至って真面目な瞳でこちらを見ながら訴える沖矢さん
なんか急にキャラ変わった気がするんだけど…
いや、そんなキラキラとした目で見られても…
あ、でもそしたら
『…記者の方ではないんですか?』
沖「?…はい、あなたのファン1号です」
その言葉にホッと息をついた
…安心した、引っ越さなきゃ行けないのかと思った
“美蘭!!”
ふとさっき呼ばれた名を思い出した
“美蘭”、私の本名
やっぱり聞き間違いだったのかな
だってこっちに来て一度もその名を呼ばれたことがない
極小数が知る事実を彼が知る由なんてないよね
349人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さえ(プロフ) - めっっっちゃすきです!!!赤井さん一途な夢主ちゃん可愛過ぎます、、、これからも頑張ってください!! (5月5日 1時) (レス) @page18 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
色 - この関係が『ギュッ』っとくるっす!!マジでどうなるんすか?((o(´∀`)o))ワクワク (7月16日 22時) (レス) id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
色 - すっげぇ、、、、好きです!!!続きがまじで見てぇっす!!! (7月16日 22時) (レス) @page18 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わきゃめサラダ | 作成日時:2023年4月21日 18時