私にもスマイル下さい【降谷零】

第四話 ページ6

降谷side


─取調室にて



…こいつは何故こんなにも元気がいいんだ

疲れないのか？


何かと俺のことを質問してくるが…こいつまさか探りを入れてる？




いや、落ち着け

こんな馬鹿なヤツがスパイな訳が無い←




「それで…なんで誘拐されたんだ？何かやらかしたか？」

犯人の顔を知っているみたいだったから恨みでも買ったのだろうと思い尋ねる



『え！？酷くない？あの男が勝手に誘拐したんですよ！』

…つまり何もしていないという事か？

先程見た資料にはこいつに降りかかった数々の事件が記載されていた


一ヶ月に一回は何かしら起きている…

さすがにここまで事件に巻き込まれる人生を送っている被害者は見たことがないな



「…お前、何かと事件に巻き込まれているな…先週は空き巣に入られそうになってるじゃないか｣


それを通報して捕まえたのは…小学生の少年？

ダメだ…どうしてもサッカー少年が出てきてしまう←大正解



『そうなんです。可哀想でしょ？…何か私が付き合った人最後にはみんなメンヘラになっちゃって…』


！？…本当か？だったら相当怖いぞ？



……まぁ、分からなくもないな

女優顔負けの美貌の持ち主…だとは思う

口を閉じていればな


そんな相手が彼女なんだ、別れたくもないだろう



この数々の事件の犯人は全て元彼なのかと聞くと


『そうなんです！！』



マジか…
どんだけ男がいたんだ





すると

『ねぇ、降谷さん。何でそんなに私に冷たいの？』


資料を見ていた手をピタリと止める


…別に冷たくしているつもりはなかった





だが何故かこいつを見ると必然的にあいつらを思い出してしまう



もう嫌なんだ失うのは



「…元々俺はこんな感じだ」


『うんうん』


？…まだ回答を求めているのか？


……


「…後メンヘラにはなりたくない｣

仕事に支障をきたす訳にも行かないしな←真面目


『まぁ！大丈夫です！イケメンに悪いヤツいませんから！』

！…こいつ本気で言ってるのか？

いつかイケメンの詐欺師にでも騙されそうだな



聞くことも聞いたし、そろそろこいつを帰すか


そう思いAに声をかけ風見にメールを送ろうと携帯を手に取る降谷


『ゴホン！あー、一人で帰るの怖いなー。誰か送ってくれるイケメンはいないかなー？イケメンー』


イケメンを強調しすぎだ

誘拐に会ったのに一人で返すわけが無いだろう


Aは風見も連れていきたかったらしく仕方なく俺も車に乗った

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