検索窓
今日:19 hit、昨日:13 hit、合計:72,070 hit

参拾陸 ページ41

総悟と私の二人きりになる。

「ね、総悟」
「何でィ?」

総悟は2本目のお団子を食べながら私の呼び掛けに返事をした。

「総悟はさ…どうして真選組にいるの?」
「何でィ突然…」

銀さんに言われて私は少しだけ…いや、すごく自分の事が分からなくなった。

何故こんなにも私は自分の事を考えていなかったのか、それが私だけなのか。

それが知りたくなった。

「俺は近藤さんがいるからでィ…あの人に、あの人の生き方や背中に惚れてるんだと思うねィ」
「…そっか」

総悟はちゃんと自分がどうして真選組(ここ)にいるのか分かってる。ちゃんと分かった上で自分のやりたいようにやっている。

じゃあ私は?

"オメーは誰の為に警察やってんだ?"
"わ、たし…は……"

あの時、私が出した名前は…

「土方さんの隣に居てェならそれで良いじゃねーか。あの人だってそう思ってるぜィ」
「!」
「俺が保証してやらァ」

総悟は私の目を見つめて真面目な顔をしてそう言った。昔から総悟は鋭くて、いつも私を見透かす。

いつも私の欲しい答えをくれる。

ここにいる理由なんて恩人である土方さんの隣に居たいと思う気持ちだけで良いんだ。それだけで事足りるんだ。

「お前ェは馬鹿なんだから難しい事ァ考えねーでも良いんでィ。団子でも食ってろィ」
「むぐっ!?」

総悟は食べかけのお団子を私の口に無理やり押し込んだ。

「な…にすんの!?こんな時間に食べたら太っちゃうじゃん!」
「何でィ物欲しそうな顔で見てたくせに」

総悟はそう言ってまたお団子の串に手を伸ばす。

口の中に残った仄かな甘み、総悟の優しさを表してるような気がした。

何でも無いように、でも確実に。

思えばさり気なくを装って誰より一番に私の味方となってくれたのは総悟だった。

それは今の私には分からないけど、近い未来の私は真っ先に彼を信用して彼を頼る事となる始まりでもあったのだ。

真選組会議【隊服】→←参拾伍



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
設定タグ:坂田銀時 , 土方十四郎 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

月ヶ瀬ましろ(プロフ) - すももさん» ありがとうございます!!あの2人良いですよね、同志が見つかって私も嬉しいです!!! (2017年7月24日 0時) (レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - とても面白かったです〜!私ものぶさぶ大好きです(≧∇≦)かわいいですよね!! あんまり二人の推し、居ないんですよね〜(つД`)ノ (2017年7月22日 17時) (レス) id: f8834efd1a (このIDを非表示/違反報告)
銀時豆(プロフ) - lying dollさん» そうでしたね(^^)気をつけます (2016年4月3日 12時) (レス) id: a770d2a664 (このIDを非表示/違反報告)
lying doll(プロフ) - 銀時豆さん» 気を付けてお帰り下さい〜お家に帰るまでが旅行ですよ( ˘ω˘ ) (2016年4月3日 10時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
銀時豆(プロフ) - lying dollさん» なんとか今の所持ちこたえてますσ^_^;明日あたり帰るかなという感じです(ー ー;) (2016年4月2日 21時) (レス) id: a770d2a664 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:lying doll | 作成日時:2016年3月20日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。