参拾肆 ページ39
それは私が着替え終わり銀さんが部屋に戻った後の事だった。
「ん〜…呑み直そうにも何か胃がムカムカすんなァ〜クソッ…!」
銀さんは自分のお腹をさすってそう呟いた。さっき一階でもそこそこ呑んでいたが、あまり酒に強くは無いのだろうか。
「もう時間も遅いですし止めておいた方が良いですよ?酒は呑んでも呑まれるなって知りませんか?」
「あ〜知ってる知ってる。でも呑まれたい時もあんのよ、コレが」
正直この男が酔い潰れようが二日酔いになろうが知った事では無いが銀さんは私の注意などに耳を傾ける気は無いらしい。
彼は右手でクイッと酒を仰ぐジェスチャーをして見せた。
「ま、でも今日はそういう気分でも無ェし…よし寝るか」
「そうですか、お休みなさい」
私は掛け布団をめくり床に入るように促す。だが銀さんは私を見て目をパチクリしていた。
「どうしたんですか?寝るんじゃ…?」
「え、いやいやいや!?何言ってんの?ここは吉原だぞ???」
銀さんは頭に疑問符を浮かべて信じられない物でも見たかの様な顔をする。その顔を見て私も彼の言わんとする事を何となく察した。
「いや…私、本物の遊女ではありませんし。それに本当なら年齢的にも足りませんから」
「え、オメーいくつなの?」
「16です」
私は両手で空に1と6を書いて見せた。それを見て彼は絶句している。
「ちょっ…おま、何でそれ先に言わねーの!?つーか本当に君は何にも知らねーのな!!」
銀さんはそう言って私を立たせてドアの前まで連れて行くと廊下に私を追い出した。
「いいか、吉原の二階はそういう事をする為にあんの。俺はいーけど他の客にホイホイ付いて行くなよ?どうなっても知んねーからな」
「はぁ…」
私はそうやって適当な生返事を返す。そもそも私が相手をするのは普通のお客様では無いからあまり関係無い気もするのだが。
だが銀さんは私の態度を快く思わなかったのかため息を吐いて頭をガシガシ掻いていた。
「あのね、本当ならここまで言わんでも良い気もするけどね、君は女の子なの。その辺アンダースタン??」
「言われなくても分かってますけど」
「どぅあから言わんでも良いつってんだろ!?俺はオメーの危機管理能力の無さについて言ってんの!!」
何故に貴方が私にそこまで言うのだ。赤の他人なのに、全然関係無いのに。
私は目の前で頭を抱える男に対して馬鹿な人だな、と思った。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - すももさん» ありがとうございます!!あの2人良いですよね、同志が見つかって私も嬉しいです!!! (2017年7月24日 0時) (レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - とても面白かったです〜!私ものぶさぶ大好きです(≧∇≦)かわいいですよね!! あんまり二人の推し、居ないんですよね〜(つД`)ノ (2017年7月22日 17時) (レス) id: f8834efd1a (このIDを非表示/違反報告)
銀時豆(プロフ) - lying dollさん» そうでしたね(^^)気をつけます (2016年4月3日 12時) (レス) id: a770d2a664 (このIDを非表示/違反報告)
lying doll(プロフ) - 銀時豆さん» 気を付けてお帰り下さい〜お家に帰るまでが旅行ですよ( ˘ω˘ ) (2016年4月3日 10時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
銀時豆(プロフ) - lying dollさん» なんとか今の所持ちこたえてますσ^_^;明日あたり帰るかなという感じです(ー ー;) (2016年4月2日 21時) (レス) id: a770d2a664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lying doll | 作成日時:2016年3月20日 22時