弐拾壱 ページ26
「吉原に潜入するにあたって"A"という名は隠しておけ」
「あ、そうですよね。偽名とか必要になりますよね…」
全く考えていなかった。要は源氏名というか芸名を決めなければならない。
私には良く分からない世界だが本物の花魁達はそれなりに意味を込めて名前を付けているはず。
すぐには思い付く物じゃ無いよね…
「候補はあるが…俺が付けてもいいのか?」
「本当ですか!?凄く有難いです!」
土方さんは机上の半紙にスラスラと達筆に書いてゆく。私達はその様子を固唾を呑んで見守っていた。
「"
「槿花…」
槿花、これがもう一つの私の名前となった。
♦♢♦
「ここが
それから私は吉原の月詠さんに吉原の作法などを教えて貰っていた。
「身の周りの事は全て
月詠さんはそう言うと2人の少女を私の前に差し出した。
「小町です」
「小毬です」
2人はぺこりとお辞儀をした。見た所まだ10歳にも満たない可愛らしい女の子達である。
「小町ちゃん、小毬ちゃん。宜しくね」
「「宜しくお願い致します、槿花姉様」」
そう言って2人は満面の笑顔を私に見せた。
何だろう、この感じ。妹がいたらこんな感じなのかな?この2人とにかく可愛い。
「主は暫く揚屋でこの2人と待っていなんし。特別に揚屋の中に個室を用意してありんす」
「え!?私、何もしなくていいんですか?」
私が驚きの声を上げると月詠さんは「はぁ」と呆れ顔でため息を吐く。
「主はまだ
「は、はぁ…?」
難しい言葉が沢山あって良く分からないが要は私は本来ならお客様を取れる年齢では無いらしい。だが、今回はあくまでも潜入調査という名目なので特別に席に上がらせて貰える。
「主の客は主らが追う攘夷志士だけじゃ。酌をし話を聞き出す、ここは吉原じゃ。最低限のルールには従って貰わねば困るのじゃ」
「分かりました」
つまりこの揚屋で攘夷浪士の来店を待てばいいということらしい。
「主の事はこの月詠と小町、小毬しか知らぬ。くれぐれも他の遊女にはバレぬようにしなんし」
月詠さんは私を部屋に案内し終えると他にも仕事があるから、と去って行った。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - すももさん» ありがとうございます!!あの2人良いですよね、同志が見つかって私も嬉しいです!!! (2017年7月24日 0時) (レス) id: b30e496864 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - とても面白かったです〜!私ものぶさぶ大好きです(≧∇≦)かわいいですよね!! あんまり二人の推し、居ないんですよね〜(つД`)ノ (2017年7月22日 17時) (レス) id: f8834efd1a (このIDを非表示/違反報告)
銀時豆(プロフ) - lying dollさん» そうでしたね(^^)気をつけます (2016年4月3日 12時) (レス) id: a770d2a664 (このIDを非表示/違反報告)
lying doll(プロフ) - 銀時豆さん» 気を付けてお帰り下さい〜お家に帰るまでが旅行ですよ( ˘ω˘ ) (2016年4月3日 10時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
銀時豆(プロフ) - lying dollさん» なんとか今の所持ちこたえてますσ^_^;明日あたり帰るかなという感じです(ー ー;) (2016年4月2日 21時) (レス) id: a770d2a664 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:lying doll | 作成日時:2016年3月20日 22時