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「……ていうわけです…」
藤「…なるほど」
ほら、こんな話したって意味ないじゃない。
初対面の人に何話してんだって思っちゃう。
藤「それは辛いですよね」
「……え?」
藤「いや、僕もそういう経験あるから」
「そう、なんですか…」
藤「まぁ今思えばいい勉強になりましたが」
ふふって笑ったその人は、やっぱりどこかで見たことがある人で。
「あの…」
藤「はい?」
「どっかでお会いしました?」
藤「ふふっ、バレました?」
「え?」
え、やっぱりどっかで会ってたの!?
なのに気付かなかったの!?私!
こんな失礼なことないよね!?
「いや、見たことあるような…感じがしたので」
藤「聞いても大きな声出さないでくださいね?」
「ん、はい!」
藤「ふふ」
そう言うとだんだん顔が近づいて、はっとした。
ドキドキ。
耳元に口を寄せて、
藤「僕実はジャニーズなんです」
って。
「…は、え、はぁ!?」
藤「しー!!だから大きな声は出さない約束だったじゃないですか」
ははっ、はー面白いってくすくす笑ってる。
ジャニーズ!?ジャニーズが私の隣に座ってるの!?
しかも振られて浮気相手だってことがわかったショックでやけ酒してるいい年した女の隣に!?
藤「びっくりしました?」
「いや、もうびっくり、どころじゃ…」
訳分からなさすぎてどうしたらいいかわかんない。
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作者名:たまゆう | 作成日時:2017年12月25日 1時