みんなの彼。私の彼。【T.Fujigaya】

○甘ったるい。 ページ5

車に乗り込んで、シートベルトを閉める。




藤「うしっ。じゃあ行くか」


「うんっ」




ゆっくり進み出した車。



信号待ちのとき、

チラッと運転してる太輔を見る。





赤信号の灯りなのか、前の車の灯りなのかは

わからないけど、

すっごく、

綺麗な横顔。




思わず見惚れるほどで。


じっと見てしまう。





藤「ん？何見てんの〜？」



へらっと笑って、あたしのほっぺたを

親指と人差し指で摘む。




「いひゃい〜(痛い〜)」


藤「ふふっ」




あ、青だって言って、手を離した。



……ちょっと、ジンジンする。





でも何か嫌な痛さじゃなくて、

優しくてふんわりしてる。



…なんて思うのもあたしがMだからなのかも

って思ったり。






「何食べるの？」


藤「ん〜？何がいい？」


「ん〜…」




そんなこと言われてもなぁ。


……困る。







藤「ふはっ。そんな悩む？」




ふふふって笑いながら、

あたしの頭をポンポンする。



今日、何かいつも以上に甘ったるい雰囲気。

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