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ふと、何故自分は呪術師を志したのだろう。
と思うと割と幼少期からだった気がする
今は引き返せない所まで来てしまった、なんて理由だが、それは呪術師をやる理由ではなくどっちかというと呪術師を続ける理由だ
呪術師をやる理由は幼い自分の初めて持った意地だった。
“認めて欲しい” そんな子供らしい主張から。
俺の術式は壬生家にとって見たこともない新種だった
術式が少しずつ使える様になった頃は、自覚なんてなくて気付いたら手に持っていた物が消えてしまった、なんてことが多かった
それのせいでAくんは失くし物が多いマヌケな子
として家から認知され、誰も相手にしなかった
呪術師ではなく、窓になれと言われ続け窓になる為の勉強を強制された
窓が嫌なワケじゃない。
ただ自分も父や兄の様に呪術師として闘いたかった。
辛い事だけど肩を並べて闘いたかった。祓いたかった。
3つ離れた兄は術式の練習を積み重ねて上達していった。兄は期待されていた。
自分は空気だった。父も母も普通に接してくれるけど自分に何も求めてくれなかった。それが悔しくて悲しくて寂しくて辛かった
誰も居ない場所で皆を驚かせたくて秘密の特訓をした
兄が積み重ねた練習の何倍も。
小学生を卒業する頃には自分の術式を少しずつモノに出来る様になっていた
自分なりに術式を理解して、術式のON/OFFも力加減も身に付けた
これで認めてくれると思っていた。
でも空気な自分は、もう相手にすらしてくれなかった
本格的に兄が次期当主として皆兄に付きっきりだった
一度、勇気を出して「お兄ちゃん、見て」と言ったことがある。
幼い頃から期待されていた兄と幼い頃から空気だった自分に接点なんて家族のクセに何一つなくて、兄は「誰だっけ、ごめんねボク」と言って通り過ぎてしまった
悲しみと怒りを通り越して呆れた
もう、駄目だと。僕の事なんてどうでもいいのだと。
誰も見てくれないのなら、と子供じみた反抗をした
中学生になると暴力沙汰は日常になってピアスもたくさん開けた。
一人称は“僕”から“俺”に変えた
誰にも言わないでフリーで呪術師を勝手にやった。
家の者は俺を更に疎んだ。
空気だと思っていた奴は問題児に成り果てて、どうしようもない人だと。
それでいい、それでいいんだ
俺の目的は、兄よりも等級を上げて壬生家全員を見返す事だったから。
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雪マカロン - 面白いです！更新頑張ってください！ (2021年3月4日 18時) (
レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
Pなつ(プロフ) - ぽんさん» すみません！忘れていました。今後気を付けます、教えてくれてありがとうございます！ (2021年2月16日 1時) (レス) id: 858f440854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわん | 作成日時：2021年2月14日 17時
