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第35話　誘拐の理由２ ページ37

私は今考えたことを、ノアに言ってみた

「ねぇ、グリモアがアレンの妹だってことは、何で国家機密なの？
　それが原因でグリモアは誘拐されたんじゃないの？」

そう言うと、ノアが何かを思い出したかのようにハッとなり、アレンを見る

アレンのほうはと言うと、驚いたように目を見開き「まさか…」とつぶやいていた

どうやら、心当たりがあるようだ

ずっと黙っていたアネラがノアに迫る

「なんだ？ 国家機密？ 何かあるのかっ！？」

ん？
私はそのアネラの様子に違和感を覚えた
いや、普段のアネラと違うってわけじゃなくて、
この状況に対してアネラの様子がそぐわない気がするのだ

あ…
こ、こいつ･･･

私は気がついた
アネラは、グリモアの秘密について誘拐どうこうではなく、好奇心で聞いているようだ

それがこの暗い状況には似つかわしくないから、違和感を覚えたのだ

ノアもそれに気がついたようで、顔を若干引きつらせながらも、答えた

「グリモアのことを説明するには、アレンとグリモアの一族について話さなければならないわね」

そして、アレンに聞く

「いいですか？この子達に説明しても」
「ああ、いいよ」

アレンはコクンとうなずくと言った

こんなに簡単に了承されるとは思わなかったので、
私やアネラ、オウブはもちろん、リアンやリートまで、驚いていた

「…アレンとグリモアの一族はね、この魔導士世界を牛耳っているのよ
　つまり、この魔導士世界の王家なの…」

ノアはそう前置きして語りだした

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