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飴と鞭的なあれですか ページ26

錆兎君は小さくため息をついて、私の手首を掴んでいた手を離した。


「とにかく、これからこのような事があったら迷わず助けを呼べ」

「いいな、A」

随分と怒気を孕んだ声で言われた。


「……はい」

返事をしたら、ぶわっと涙が目から零れた。


あ、やべ。

バレないようにさりげなく俯く。


いや!!仕方ないって!!!!

めっちゃ怖かったもん!気迫がすごかったもん!!



心の中で言い訳をしていると、手で顎を掬われた。

そうなると強制的に前を向く。



目の前の錆兎君は困った顔をしていた。

「泣かないでくれ」


さっき怒っていた錆兎君と同一人物と思えないくらい甘ったるい声だ。

え……????え????



錆兎君は私の顎を掬った手で、次は私の眼鏡を外した。

そして反対の手の親指で優しく涙を拭った。


な、なな何!?!?

自分でも分かるくらい顔に熱が集まる。


こ、こやつ……!!

ぷ、ぷれいぼーいだな!?!?!?



「行こう」

錆兎君は私の手を引いて、歩き出した。


どこへ……あっ!!!!!


「あの、他の人を待たせてしまっているでしょうか…」


思わず訊いた。

錆兎君は夕飯が出来たから、私を居間に案内するために呼びに来たはずだ。

結構話していたけど大丈夫だろうか。


錆兎君は軽い声で答えた。

「ん?ああ、夕飯か?ちょうど今から作り始めるくらいだろう」

「え」


ちょっと言われている言葉の意味が分からなかった。


「実は、事の詳細を聞きたくて嘘をついた。すまん」

八の字眉をしながら申し訳なさそうに謝られた。


本当に申し訳なさそうで、根はいい子なんだなあ、とぼんやり思った。


でも嘘なんですか????

割としたたかですね??


まあ、八の字眉可愛いから許すけどさ。



扉の前まで来て錆兎君が振り返った。


「ここが居間だ」

「はい」


錆兎君は扉に手を掛けてから、あ、と声を漏らした。

「貴方はキメツ学園の生徒か?」

「?はい。高等部一年です」


私がそう言うと、錆兎君はあからさまにしまった、という顔をした。


「…これから先は特に深く考えないで過ごしてくれ」

「分かりました」

「後、敬語はやめてくれ」

「分かった」

こくっと頷いた。


錆兎君は扉を開けた。

天狗面→←中学生男子



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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園   
作品ジャンル:アニメ
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彩羽_Iroha.(プロフ) - 雛子さん» そうだったのですね…!教えて頂きありがとうございます!これからも応援しています!良かったら仲良くさせていただけませんか…?m(*_ _)m (2019年11月5日 0時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 彩羽_Iroha.さん» ありがとうございます!背景画像の水玉模様のことでしょうか??デザイン設定の背景画像で選んでます!これは2ページ目にあります〜 (2019年11月4日 18時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
彩羽_Iroha.(プロフ) - こんにちは!はじめましてです。内容も最高でした、やっぱりキメツ学園いいなあ〜。ちなみになんですけど、背景のやつってどうやってますか、? (2019年11月1日 23時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 鬼滅Loveさん» 笑ってくださって嬉しいです(照)頑張ります!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅Love - え?なんですか?最高すぎません?笑いすぎてお腹痛いです!続きが早く見たいです!頑張ってください。 (2019年9月1日 23時) (レス) id: 001f58aed0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛子 | 作成日時:2019年8月7日 16時

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