姉 ページ17
私は硬直した。
けど、何とか意識を引き戻す。
「大丈夫だよー」
ニコッと笑って、手を横に振った。
『早く治るといいね』
内心すごく焦っていた。
今まで……私の中で我妻は可愛くない八の字眉枠だった。
(可愛い八の字眉枠は千寿郎君)
けど……ちょっと……今の八の字眉はきゅんときた。
くっ、悔しいいいいいいいい!!!
いや何なんだよ!!!!
普段が最悪な癖に心根の良さをちらっと出すんじゃねーよ!!!!
心の中で地団駄踏んでいると、ふと疑問が浮かんだ。
「さっき私の名前呼んだ?あと傷っていつ気づいたの?」
我妻はすんなり教えてくれた。
「名前はこの前炭治郎が呼んでたから、それで覚えてたんだ」
「傷は風紀委員の服装チェックで気づいた」
どっちも筋が通ってる理由だ、なるほど!
それから我妻に私の苗字を教えたり、炭治郎との事を話したりした後別れた。
帰ってきたら一番にゆうちゃんに声をかけられた。
「何だった?」
「傷大丈夫か、って聞かれた」
「ふーん」
ゆうちゃんは意味ありげに目を細めてから、机に突っ伏した。
「言いたい事があるなら言ってよ〜!」
その反応にモヤモヤしてゆうちゃんの背中をポカポカ叩く。
キーンコーンカーンコーン______。
チャイムが鳴ってしまった。
一時限目が始まるので、しぶしぶ席に戻った。
▽
「姉ちゃん」
ある日我妻にそう呼ばれた。
振り向くと、我妻はぽかんとしていた。
それから少し赤くなって、慌てて訂正した。
「違っ、環さん!」
「ぶっ……ふふ、何?」
「ちょっと笑わないでください」
「えー」
笑うに決まってる。可愛いとこあるじゃないか。
「……環さん」
「姉ちゃんでいいよ?」
「環さん!!」
私がからかうと、我妻は意地になってさん付けで私を呼んだ。
「私は我妻のこと家族だと思ってるんだけどなあ」
雷の呼吸の使い手で、他の後輩より親しみやすくてよく一緒にいるし、ご飯も奢る。
それに我妻は馴れ馴れしいというか距離感が近いのも手伝って弟のように思っていた。
言い返してこないのを不思議に思って、我妻の方を向いた。
我妻は泣いていた。
△
キーンコーンカーンコーン___。
いつの間にか授業が終わった。
あれからどうなったんだったか……思い出せない。
「……そんなに嫌だったのかね」
ボソリと呟いた。
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彩羽_Iroha.(プロフ) - 雛子さん» そうだったのですね…!教えて頂きありがとうございます!これからも応援しています!良かったら仲良くさせていただけませんか…?m(*_ _)m (2019年11月5日 0時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 彩羽_Iroha.さん» ありがとうございます!背景画像の水玉模様のことでしょうか??デザイン設定の背景画像で選んでます!これは2ページ目にあります〜 (2019年11月4日 18時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
彩羽_Iroha.(プロフ) - こんにちは!はじめましてです。内容も最高でした、やっぱりキメツ学園いいなあ〜。ちなみになんですけど、背景のやつってどうやってますか、? (2019年11月1日 23時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 鬼滅Loveさん» 笑ってくださって嬉しいです(照)頑張ります!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅Love - え?なんですか?最高すぎません?笑いすぎてお腹痛いです!続きが早く見たいです!頑張ってください。 (2019年9月1日 23時) (レス) id: 001f58aed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛子 | 作成日時:2019年8月7日 16時