前世で鬼殺隊の一隊士だった私は今世でも一生徒として過ごしたい

フランスパンくわえた禰豆子ちゃん♪ ページ6

｢はぁ…はぁ…｣

｢着きました、ここです！｣


目の前には数日前来たパン屋さんがあった。

うわ竈門君…やばいな。全然息切れしてない。


私は足は回ったけど、体力無いから今すごいしんどい。


｢大丈夫ですか？｣

竈門君が心配そうに私の顔を覗き込む。


大丈夫じゃねーよ！！

と言いたいのを抑えてなるべく朗らかに笑った。

｢ありがとうございます。大丈夫です｣


すると竈門君はほっとした顔で私の手を引いて店のドアへと向かった。


……あれ。いつの間にか手を握られてる。

こんな時にお兄ちゃん力を発揮してどうするのさ、と心の中で苦笑した。



ガチャ。

店のドアを開けると、数日前のあの空間が変わらず広がっていた。

空調が効いていて涼しい、のも相まって天国のように感じられた。


｢ふぉぉ……！！｣

きらきらした美味しそうなパンがたくさんある。

くぅぅぅ、お腹空いてきた！


｢好きなの一つ選んでください！｣

｢俺はちょっと抜けます。けどすぐ戻ってくるので｣


その言葉に驚いて竈門君の方を見ると、もうそこには既にいなかった。

いつからハリケーン化したんだ？


仕方なく店内を見回してみる。

並んでるパンはどれも美味しそう。

このどれか一つを奢ってくれる…奢らせるのはなんか申し訳ないなあ。


熟考の末、メロンパンを選んだ。

そして代金をコソッとレジの近くに置いておいた。

だってなんか忍びないし、後輩に奢らせるとか。


｢……今は後輩じゃないけどさ｣

うーん、思ったより自分が引きずられてるな。



｢むー！｣

｢ぼへぇ！？｣

突然背中に強い衝撃が加わった。

勢いよく振り返ると、フランスパンをくわえた美少女が私の腰に抱きついていた。


少し遅れて竈門君もやってきた。

｢こら、禰豆子！｣


この美少女は……！

ね、禰豆子ちゃぁぁぁぁん！？！？！？

やっぱりいるよね！！

でもなぜフランスパンくわえてるの…？？？？


｢すいません。えっと、妹の禰豆子です｣

｢むー！｣

｢妹さんなんですね…！｣


堪えきれず頭を撫でると、禰豆子ちゃんは気持ちよさそうに目を細めた。

可愛いいいいいいいい。


その様子を笑顔で眺めていた竈門君はふと、｢あ｣と声をもらして、こう続けた。

｢俺は竈門炭治郎と言います！｣

竈門兄妹は可愛い→←犬っぽい

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