顔が良い ページ19
「で、____。」
今は美術の授業中だ。
けど話が全く入ってこない。
教師の顔が良すぎるのだ。
このクラスの美術担当は宇髄天元という男である。
宇髄天元は私の前世の上司だ。
この人は……ものすごく顔が良い。
大事な事だからもう一度言う。顔が良い。
午後の授業なんて皆ずっと下を向いてるのに、美術の授業だけは主に女子の顔上げ率が高い。
そして顔を上げている人のほとんどは宇髄天元の顔を凝視している。
かくいう私もその一人だ。
ひたすら宇髄天元の顔面を穴があく程見つめている。
しょうがない……どタイプなんだ。
▽
「お前柱とは関わりたくない、見たくないって言ってたよな」
「え?はい」
環さんが遊びにいらした時に、天元様がそんな事を話していた。
「割と俺とは飯行くよな」
「はい、顔が好きなんで」
「……は?」
「え??だから顔が好きなん」
「二回も言うな」
あまりにもストレートな環さんに思わずふふ、と笑みが零れた。
そのせいで環さんに気づかれた。
「あ!?雛鶴さん!?!?」
「お茶をお持ちしました」
二人のそばにお茶を置くと、環さんの顔はみるみる青ざめた。
「違うんです!別に音柱様取ろうとか考えてないです!!信じて下さい!!!」
「疑ってませんよ」
あわあわして弁解しようとする環さんが可愛くて、頬が緩むのを抑えられずに返事をした。
その様子を見ていた天元様が口元に手を当てて、半笑いでこう言った。
「え、てっきり俺に気があるのかと…」
「ありえないですよ」
環さんはスンっと真顔になって、天元様を睨んだ。
そして環さんは真顔を崩さず俯いた後、こう続けた。
「柱の方って大抵会うと喧嘩を吹っかけられるか、キッツイ稽古をつけられるかの二択なんです」
「その両方もあります」
「……それで精神と肉体が著しく疲れるから嫌なんですよね」
そう嘆く姿にあまりに哀愁が漂っていて、私も天元様も絶句した。
「まあ、でも蟲柱様と恋柱様とあなたは別です!」
さっきまでの姿とは一転、環さんはにぱっと笑った。
「なぜなら音柱様は稽古そんなにしないし嫌な事も言わない上に、ご飯奢ってくれるし」
「めちゃくちゃ格好良くて大好きだからです!!!」
環さんのはつらつ笑顔が炸裂した。
私は思わず左胸を押さえる。
環さんは特別顔が整っている訳ではないんだけど、こうやって時々すごく愛らしいから困ってしまう。
天元様はぽかんとしていた。
△
250人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩羽_Iroha.(プロフ) - 雛子さん» そうだったのですね…!教えて頂きありがとうございます!これからも応援しています!良かったら仲良くさせていただけませんか…?m(*_ _)m (2019年11月5日 0時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 彩羽_Iroha.さん» ありがとうございます!背景画像の水玉模様のことでしょうか??デザイン設定の背景画像で選んでます!これは2ページ目にあります〜 (2019年11月4日 18時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
彩羽_Iroha.(プロフ) - こんにちは!はじめましてです。内容も最高でした、やっぱりキメツ学園いいなあ〜。ちなみになんですけど、背景のやつってどうやってますか、? (2019年11月1日 23時) (レス) id: 5b9a02ba17 (このIDを非表示/違反報告)
雛子(プロフ) - 鬼滅Loveさん» 笑ってくださって嬉しいです(照)頑張ります!! (2019年9月2日 23時) (レス) id: 3004313f3e (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅Love - え?なんですか?最高すぎません?笑いすぎてお腹痛いです!続きが早く見たいです!頑張ってください。 (2019年9月1日 23時) (レス) id: 001f58aed0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雛子 | 作成日時:2019年8月7日 16時