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なんの表情もなく一人の男を投げ捨てる“禪院甚爾“に、ただひたすら落ちていく猪野。
その全てがスローモーションのように見えて、頭の中は真っ白になる。
『…やだ、待って』
そうポツリと漏らした彼女は、短い間で我を取り戻す。
彼女が、猪野を助けるために行った策は＿＿
『
そしてそれと同時に、肥大化させていた箒を呼び寄せ、猪野の方へとぶん投げた。
守護霊として出現したカラスはそれを咥え、落ちていく猪野の方へと持っていっているのをAは確認する。
正直頭が良いとは言えない策だが、今のAの頭ではこれが限界。
『恵、ゆーじ！！！』と一声呼びかけてから、Aは男に向き直った。
強者のオーラに圧倒されながら、目の前の男をジーッと観察。
どこか恵に似ているような気がしなくもない、ような。
そんなことを考えていると、標的を失った男がAを次の
殴りかかってきた彼の体に蹴りを入れ、Aは驚いた。
何この人、体硬すぎる。
『
男には切り傷がつき、血が吹き出すが彼はお構いなし。絶えることなく殴ってくる。
正直言って真希より全然強い、今まで相手してきた誰よりも強い。
そもそもAの強さは、魔力の高さや魔力コントロール、魔法の一つ一つの威力の高さなどなどから成り立っている。
体術なんて人より2レベルぐらい高いだけ。そんな彼女が、この目の前の男に勝るわけがない。
殴って、殴られて、蹴って、蹴り返されて。
涙が出てしまいそうな痛みが全身を駆け巡って、眉を顰めた瞬間Aの腹に強い一撃が入る。
痛くて、眉を顰めて。杖を掲げて男に向ける。
ふわり、宙に浮いたかと思えば、
『アバダ ケ…！』
最悪の間違いを起こす前に、彼女の視界には離れていくビルが映っていた。
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なんなん(プロフ) - 杏莉さん» ほんとうですか………めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます泣！！！！ (2021年3月12日 21時) (
レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
杏莉 - ふわああああ！ 面白いですっ！ 更新楽しみにしていますね！ (2021年3月12日 18時) (レス) id: 8bbf1cd05e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんなん | 作成日時：2021年3月4日 16時
