第百五訓 ページ7
銀時side
「じゃあ…なんで…」
消えそうな声で呟かれた冷たい声に、ゾクリと背筋に寒気が走る。消えた重みに振り返ると周りが暗闇に包まれていた。驚き目を開く。
「いつも…助けてくれないの?」
暗闇に吸い込まれそうなAはふらりと立ち尽くす。ぼこぼこと嫌な音に目線を下げると
銀時「………ッ」
Aの腹に…大きな穴が開いていた。全身に寒気が走る。その穴からぼこぼこと溢れた"液体"
「また、助けてくれなかった」
銀時「……あ…ぁ…」
ぽちゃんと落ちる赤が、地面を赤く染め上げる。
「護るって言うけど…口先ばっかり。結局貴方は何も護れやしないじゃない」
「だったら…捨てればいいのに」と致死量にもなる液体を垂れ流し、ゾッとするほど綺麗な笑み浮かべるAに、…息を吸うのを忘れ、苦しくなる。
「何も救えなかったでしょ?私の事も──…お父さんの事も」
銀時「…ッ」
いつの間にか目の前に現れたAが俺の頬に触れた。氷の様に冷たい指先は…つーっと俺の頬を撫で、顎に滑る落ちる。そして気づく
銀時(あぁ、これは…夢だ)
何十回と見た悪夢だと…理解した。俺が自分を戒めるために作り出した…Aなのだと。
飽きるほど見た夢の筈なのに、何故だろう。
何度見ても俺を震え上がらせる。ごほごほと音を立てて溢れる赤い血を止めてやりたくても…どうせ無意味だった知っているから。俺はただ、耐えた。
「こんな事なら…銀時なんて庇わなければ良かった」
あぁ…知ってる。
俺だって過去に戻れたらお前に庇われたりしねェーよ。だってそうだろ?お前が死ぬって知ってたら庇われてなかった。
神さまの悪戯ってやつでさ…
あの場で誰か一人死なないといけないなら
それはお前じゃ無い。
地面に縫い付けられた様に動かない体。
そして、綺麗な唇が動く。
この後に紡がれるあろう言葉を覚悟して
──「貴方が死ねば良かったのに」
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時