第百十九訓 ページ21
Aside
どうして…そんなにも…。
銀時の切望とも熱望ともとれる言葉に息を呑んだ。
ゆっくり持ち上げた両手を彼の背中に回し、ぎゅっと力を込める。
自分を大切にしてなかった訳じゃない。でも…もしかしたらそーなのかもしれないとも、思う。
大切な人が危険に晒されるのが嫌だった。無意識にその危険から遠ざけてた。巻き込みたくなくて
見廻りの最中に一人で浪士を粛清しに行ったのも、土方さんの前に無鉄砲に飛び込んだのも、クラブの時に真選組に応援を呼ばなかったのも
全部が大切な人を危険から守りたかったから。
"私が自分を大切にしてない"…て、事になる。
でもさ…銀時。
「もう…いい、じゃん…それ、でもッ」
──不死蝶の由縁はそのまま…"不死身"。つまり死なない。
そんな経験ない?死ぬかもって思ったのに…生きてた、とか
神威に言われた言葉が頭をぐるぐると回る。そうだよ…いいじゃん、どーせ死なないんだったら。
銃弾が体を何発も貫いたって…この通りピンピンしてる。どーせ死なないなら…せめて大切な人を、守らせてよ。そうじゃないと…私…
──本当に化け物じゃん
ギュッとシワができるほど着流を握りしめ、はは…と乾いた笑いが漏れた。
銀時「……A?」
銀時の戸惑う声が聞こえる。ぐっと体を剥がされるけど、強くしがみついた。
「大、丈夫…だって。だって私…死なない、から」
銀時の息を呑む声が聞こえる。
「神威が言っていた事は…本当、なの。私、本当に死ねないんだよ?アハハ…びっくりするよね」
銀時「ッ…ちょ、離れ…」
「体、をね、いっぱい打たれたの…いっぱい、血が出た…あぁ、私、死ぬんだって、思ったよ」
銀時「ッ…A!!」
しがみつき、離れようとしない私を引き剥がそうとする銀時に続けていった。
「…どうしょ、銀時…わた、し…
化け物に、なっちゃ…った」
すごい力で体を剥がされる。私は泣いていた。自分が人じゃなくなったんだとわかって思考がぐちゃぐちゃで…涙が止まらなかった。私の顔を見て、みるみる酷い顔をする銀時に何か声を掛けてあげたかったのに…そんな顔させているのは私だって気づいて、何も言えない。
…八つ当たり、だよね。
銀時はだた私を心配してそう言ってくれただけなのに
──…ごめんね
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時