銀魂 【不死蝶の舞姫】3

第百一訓 ページ3

Aside







怖気付きそうな気持ちをグッと引き締め、小さく息を吐く。──大丈夫…大丈夫…。何度も自分に言い聞かせた。



──真選組は結局、上層部のご機嫌取りの為に存在してるんですね






どうして…あんな言い方しちゃったんだろう。






春雨「蜂の巣にしてやらァ」

新八「…や、やめろォォォォ！！！」



ごめんなさい




でも本当は

"ありがとう"って

みんなの事"大好きだよ"って




……伝えたかった。




──ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝ‼︎‼︎





暴れ叫ぶ新八君の声を遮る乱射音。肩、足、腹部…胸。
一瞬の痛みはじんじんと広がり、やがて焼ける様に熱くなる。立っている事も儘ならない私の体は、最も簡単に膝から崩れ落ちた。




新八「A…さん？」




微かに新八君の声が聞こえる。血を流しすぎてか酷く寒くて、凍死しそうだ。──あぁ…これが死ぬって事なんだ。
でも不思議とこの感覚

──懐かしい

それはなぜ？




──「──Aッッッッ！！！？」



意識が沈む中、幻を見た。
駆け寄ってくる涙で揺れた赤色の瞳と、絶望の色に染まった緑色の瞳。



──「目ェ…覚ませってッ 」



抱かれた体が温かくて、頬を濡らす水分が愛おしかった。助けられて良かったって、心から安堵して




──「なぁ…頼むからッ …お前まで俺を置いていくな…ッ」




自分がおかしい程、達成感や幸福感に包まれてて。
一つ心残りは…大切な人達に "さようなら" "ありがとう" て伝えられなかった事。だから責めて最後の力を振り絞って皆が"大好き"って伝えたんだ。
コレが走馬灯。

あぁ、そっか…私また
──…死ぬんだ。






次に見えたのは、気泡が幾つも浮かぶ水の中
動かない体に絡みつく絡むコード
水面越しに見える"実験室"



──「やっと手に入れた」



貴方達は…だれ？



──「不死蝶の目覚めは…もう時期だ」





【不死蝶】
その言葉を最後に
私の意識は、波に飲まれた。

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