第百二十二訓 ページ24
Aside
銀時と共に暗い廊下を駆ける。外にでればオレンジ色に染まっていた。ずっと暗い場所に居たから日付感覚が狂っていたが、それ程時間は経過していなかったらしい。
そして…ずーっとシリアスな雰囲気だったからさ、ツッコむべきがスルーするべきか迷ってたんだけど
流石によく見える今ではツッコまずにはいられなかった疑問を私は銀時にぶつけた。
「ところでさ…なんでそんな格好してるわけ?」
銀時「なんでって海賊船だから」
そー言う事ですか。
だからそんな変な格好…じゃなくて海賊の格好をしてるのね。
銀時「因みにフックもある」
「あー…はいはい、フックね」
懐から取り出したのは簡易的なフック。いや、用意周到だな。海賊=フックってもうアレじゃんピーターパンの"フック船長"
やっぱりツッコむんじゃなかった。いつもみたいにキレ良くツッコミできんわ。そもそもツッコミ役じゃないしな私。
「まぁ…アレだね」
銀時「あ?アレ?」
「なんか…変だよその格好」
銀時「あ?いや、結構いけてると思ってんだけど…海賊銀さん」
「いや、似合ってないわけじゃないんだけど…銀時が黒ってなぁ」
全身黒装飾だし、なんかシャツにベストにコート羽織ってるし…アレだよね。
(……真選組かよ)
本人に言ったら絶対怒るから、私は言葉を飲み込んだ。─その時
『神楽ちゃんを離せ!ここは侍の国だぞ!お前らなんて出てけ!!!』
どこからかよく通る新八くんの声が聞こえて、私達は顔を見合わせる。辺りを確認しても姿は当然なくて、私は手すりに身を乗りだした。
「神楽ちゃん!?」
乗り出した手摺から見える"長髪の天人"の刀で 海に吊るされた神楽ちゃんの姿。どうしよう…助けに行きたいけどここからだとかなり距離がある。
(…今から向かっても道もわからないし、どうしたら…ッ)
思考を巡らせていた私の腰が強く抱えられる。
驚いて目を向けるとニタリ顔の銀時が見えた。その手にはフックとフックの先端に結び付けられた…ロープ。ま、まさか…え、そのまさか?
銀時「しっかり捕まってろよ。振り落とされたくなかったら、なァ!!!」
フックを縄に取り付けた銀時はもう片方の腕で私の腹を軽々と抱き抱える。顔を引き攣らせる私を無視し、海に…飛び降りた。
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時