第百十五訓 ページ17
Aside
"来るって…何が?"
そう声をかけようとした時、抱える腕に力がこもった。体を逸らし何かを弾き飛ばす。
突然の事に目を向けると弾かれたモノは宙は舞い天井に深く突き刺さった物。それは斧。その斧を利用してこちらに迫る人影は握っていた"木刀"を振り下ろす。
その姿に、目を大きく見開いた。
───ガキィィィィィーーンッッッ!!!!
銀時「誰だ、てめェ!!」
神威「この星って…」
銀時「─ッ」
お互いの武器がせめぎ合う事で青白い光を散らす。木刀を防ぎながら銀時の横っ腹に神威の片足がミシリと音を立てめり込んだ。
神威「挨拶もなしに斬り込んでくるのが風習とか?って、もう聞こえてないか」
「ぎっ……」
強烈な蹴りで弾き飛ばされた銀時が分厚い壁を突き破る…その姿に私は言葉を無くした。
最悪の状況が頭をよぎり、全身が恐怖で震える。
「…っ…銀時ッッッッ」
私の悲痛の叫びが狭い通路を木霊する
神威「つまらないな…弱い奴に興味はない」
「ぎッ…いや、離して…ッ!!」
穴が空いた壁から目を離さないまま神威の腕の中で激しくもがく。力の差で一向に解けない腕はいくら暴れても身動き一つもできなかった。
悔しくて、情けなくて、徐々に視界がぼやける。
「おねがッ…離しッ」
神威「大人しくしなよ。どうせ逃してあげ───ッ!?」
限界を迎えた涙がこぼれ落ちそうになった時…ビュッの風を切る音。壁が崩壊する激しい音が響く中、放り出された私の体は逞しい腕に抱き止められる。
その腕の中で涙が溢れた。
銀時「おい…なに泣かしてんだ」
よかったと心の底から安堵する。存在を確かめるように腕を掴めば、答えるように抱く力を強めてくれた。
神威「イテテ…へぇ、アンタ強いじゃん」
ドンっと瓦礫を蹴りどかし、包帯を赤く染めながらも余裕の笑みを浮かべた神威が立ち上がる。
銀時「…こちとら本気でぶん殴ったつもりだったが、バケモンかてめーは」
神威「はは、似たようなもんだよ。そう言うアンタもなかなかタフだね」
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時