第三十四訓 ページ35
no side
「少しは褒めたりできないもんかねぇ……まぁ、別に良いんですけどぉ!真選組の奴らに見せる為に着たわけじゃないッ ──あ…」
失言をしたAは慌てて口を押さえる。その発言を聞き逃さなかった二人。土方は飲んでいた味噌汁を吹き出し、ゲホッゲホッとむせ込み。
沖田「ふーん…」
沖田からは鋭い視線が突き刺す。
沖田「じゃあどこで見せる予定なんでィ」
「い、いや〜…別にだ、誰にも?」
沖田「その姿をどこの野郎に見せる予定なんでさァ」
「なんで言い直した?そ、それに野郎と決まったわけじゃ…」
沖田の不機嫌なオーラが怖くて隣を見れないAは、向かいの土方に助けを求める様に見つめた。
土方「……別にいいじゃねぇーか。デートでも」
………
…………
………………。
(土方ァァァ!!余計なこと言うんじゃねェェェエ!!!)
Aは心の中で叫んだ。余計にドSを拗らせる事を無意識に言う土方の口を今すぐに塞いでやりたいと思った。
土方「俺達には関係ねェだろ。そもそも非番なんだしデートでもいいじゃねーか」
沖田「土方さん、タバコの向き逆でさァ」
食後の一服。逆向きのタバコに火をつける土方は燃えているタバコを咥えながら言った。当然「あちぃぃぃぃい!!!」っと口を火傷したのは言うまでもない。
沖田「で、どこの野郎に見せるんでィ。正直に言いやがれ」
「べ、別にいいじゃん!関係ないでしょ?」
沖田「チッ…可愛いって褒めれば教えてくれますかぃ?」
「ふーんだッ!今更心にも無い事を言われても嬉しくありませーん」
Aは食べ終わった食器を重ねながら掛け時計に目を向ける。そろそろ出かける時間に迫った秒針を見て、立ち上がった。
「一応言っておくけど、デートではありませんからね!」
沖田と土方を指差し、Aは忙しなく食堂を後にした。その姿を気に食わなそうに見つめる沖田と複雑な表情を浮かべた土方の存在を、Aは知らない。
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迷い猫(プロフ) - なみさん» お返事遅れてももも、申し訳ないです!!!なみ様読んでくださってありがとうございます。いやいや、最高だなんて…逆に読みづらくないですか!?大丈夫ですかね?ガクブル またお暇な時でも読んでやってください(土下座)コメントありがとございました!! (2022年6月6日 18時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - この小説の表現好き〜♥️♥️甘いスチュの時、乙女心のある表現があるとこっちまでキュンキュンしちゃいます!!(*´▽`)めちゃ好みの合う小説見つけたぞー!最高っす作者さん!!ありがとう!! (2022年5月29日 9時) (レス) @page31 id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2021年11月28日 20時