第十訓 ページ11
no side
「はぁ…ッ…はぁ……あ、れ…？」
転んだ事により痛みがあると覚悟していたが、いくら待っても痛みがない。恐る恐る顔を上げると。
「あ…」
銀時「…… 」
至近距離で飛び込んでくるゆらゆらと揺れる赤色。信じられないと言いたげな銀時の表情が見えた。
「あ…え、とッ」
銀時「……ッ」
ゆっくり肩で息をしながら自分の状況を改めて確認する。
転びかけたAを守る様に回された逞しい腕。
酷く懐かしい匂い。
銀時「……ッ…嘘、だろ…」
今にも泣きそうな声もAの中で確かに覚えていた。
いつか思い出せないずっと昔に聞いた事がある。
"「──A？」"
あぁ…そうだ。夢の中だ。
夢の中で自分の名前を呼んでいた彼に酷く似ているとAは思った。
──ドクン
気づいてしまえばい嬉しさから高鳴る鼓動。
苦しいくらいの感情が溢れ出して、塞き止められない。
「っ…やっと、会え…たッ」
無意識に心の声が漏れていた。
この泣きたくなる感情はいったい何なんだろう。
Aの頬に温かいものが伝った。
銀時「…っ…泣くなよ」
目尻を拭う少しゴツゴツした指先すら懐かしくて。
止まらない涙をみて、彼はまた泣きそうに笑った。
やっぱり知ってる。忘れるわけがない。
でも、気持ちとは裏腹に思い出せない。
それが堪らなく苦しかった。
辛かった。
悲しかった。
「ッ ご、め…ん…」
何に対しての謝罪なのか自分でも分からない。ただ謝らないといけない気がした。
忘れてしまってごめんなさい。
貴方のこと思い出せなくてごめんなさい。
一人にさせてごめんなさい。
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迷い猫(プロフ) - なみさん» お返事遅れてももも、申し訳ないです！！！なみ様読んでくださってありがとうございます。いやいや、最高だなんて…逆に読みづらくないですか！？大丈夫ですかね？ガクブル またお暇な時でも読んでやってください(土下座)コメントありがとございました！！ (2022年6月6日 18時) (
レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - この小説の表現好き〜♥️♥️甘いスチュの時、乙女心のある表現があるとこっちまでキュンキュンしちゃいます！！(*´▽｀)めちゃ好みの合う小説見つけたぞー！最高っす作者さん！！ありがとう！！ (2022年5月29日 9時) (レス) @page31 id: 617d92d894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：迷い猫 | 作成日時：2021年11月28日 20時
