11.後悔 ページ12
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「…ゾ、ゾムさん？ どないしてん、表情暗すぎるけど…」
「何でもないわ…」
「そんな事ないやろ！ …あっ、もしかして順位が悪すぎたとか？ 俺も悪かってん。一緒にトントンに怒られような」
「ちょっ…！！」
鬱先生は、机の上に置いていた点数と順位が書かれた表を勝手に取って、じっくり見ていく。すると、みるみるうちに目を丸くさせて、「嘘やろ…、」と声を漏らした。
「嘘やないで」
「ゾムさんが十二位…！？ 何でや！ ゾムさんだけは裏切らんと思っとったのに！」
どこから持って来たのかハンカチを口に咥えて、漫画みたいに悔しそうに文句を言う鬱先生。それがとてつもなく鬱陶しくて、俺は教室から出て彼女のいる図書室に向かった。
後ろから大先生の「あぁん、ちゅめたい」なんて気色悪い声が聞こえたが、吹奏楽部の楽器の音色にかき消された。
夕陽が差し込む放課後の図書室で、彼女は珍しく居眠りしていた。周りを見るけれど、ほかに誰もいない様子。
居眠りしている彼女の髪を撫でた。指からするりと溢れる。
今ここには俺と彼女の二人きり。これから彼女の好きな人を聞いてしまう事が嫌でたまらない。何であの時彼女に好きな人は誰かと聞いてしまったんだろう、と酷く後悔するばかり。
けれどその人物を知りたい。まるでシーソーゲームのようだった。
「…先輩、俺頑張ってんで。なぁ、早く教えてや」
「……ふふっ、いいよ。教えてあげる」
居眠りをしていたと思っていた彼女がそう答える。それに驚いていると、「ごめんね、狸寝入りだったの」なんて言った。
「なっ、！」
「…本の整理、手伝ってくれる？」
彼女は椅子から立って、返却ボックスに入っていた沢山の本を持ちながら俺に聞いた。一つも濁っていない透明な瞳がこちらを見ている。
俺はその期待に応えるように、彼女が持っていた本を全部取った。
「その本はここ」
「じゃあ、これはここ？」
「うん。そうだよ」
彼女に本を戻す場所を教えてもらいながら、淡々と作業をこなしていく。グラウンドから運動部の声しか聞こえない静かな空間で、彼女は口を開いた。
「…私達が初めて出会った時の事、覚えてる？」
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なゆり(プロフ) - カナzbさん» わー！！！ありがとうございます！！ 言い当てられて私自身ビックリしてるんですけど、テーマが『純粋な狂気』なんです（超小声）。これからも是非よろしくお願いします！ (2020年2月5日 16時) (
レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
カナzb - これ良いですね！題名に誘われたんですが、ちょっとヤンデレ感もあっての純粋っぽい恋愛。は？最高やないか。 これは良いですね、布教しときます。 (2020年2月5日 1時) (レス) id: a1a86ad9f2 (このIDを非表示/違反報告)
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