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開けていた窓から春の夜風の匂いがする。
心だけ異世界に行ったような気分に慌てる事もなく、ただひたすら流れ続けるテレビを見ていた。
唯一ここに残ってるのは確かな多幸感。
ショッピさんから『すいません』と言われるまで、きっと、ずっとこの状態だったと思う。
「えっ、」
『特に用も無かったんすけど、声が聞きたいな…と』
まるで恋愛ドラマや漫画に出て来るような台詞に、恋人みたいな事言ってる…と思っていると、どうやら口に出ていたらしく。
『ははっ、何言ってんすか。俺ら恋人ですよ』
______ゴトンッ、
きっきから襲いかかる過剰な程の供給に驚きが隠しきれず、スマホを床に落としてしまう。
流れるように恋人だと言われる私の身にもなって欲しい。あくまで仮であると言うのに、勘違いしそうになるじゃないか！
床に落ちたスマホを拾って勢いよく謝る。
「ほんと、ほんと、ごめんなさい！！」
『大丈夫っすよ。どうされたんですか？』
「えっと、床にスマホ落としちゃって…。ほんとすいません…」
『いえいえ。…Aさんて、意外とおっちょこちょいなんすね』
息がひゅっとなった。
これはならない方がおかしい。いやごめん。これ私だけだわ。
ショッピさんの顔も好きだけれど、声も好きな私にとっては、こんなのご褒美以外の何ものでもなくて。
きっとこの時も優しく笑ってるんだろうと想像してみると、さっき以上に息がひゅっとなる。
「はい。おっちょこちょいです…。あー待って声良すぎ…。無理、好き…。生きてて良かった…ありがとう世界……」
思わずこう口に出してしまっていたけれど、気付かなかった私。
電話の向こうで静かに笑ってる声にも気がつかなかった。
『ところで、Aさんは何してたんですか？』
と聞かれる。その声に我に帰ったが、ちょっとした意見というか、気になったことがあった。
たとえ仮の恋人同士であっても、敬語くらい外して話しておくべきだ。ただそれ以上に、私よりも年上であろうショッピさんが、私に敬語を使っているのが気に食わなかった。
…と言ったら語弊があるかもしれないから訂正しておく。
同期の人に対しても敬語であるショッピさんが、敬語を抜いて話してるのを聞きたいだけだ。
「…あの、藤堂さん」
『何でしょう？』
「敬語を外して話ませんか…！」
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なゆり(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！そう言っていただける事が本当に励みです…！！次の作品でもよろしくお願いします。 (2020年1月27日 4時) (
レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 完結おめでとうございます！！遅くても次の作品も楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2020年1月26日 23時) (レス) id: 06469c67db (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - 紫紅兎さん» 臓器破裂！？笑 私の方こそ拙い作品ですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつしか書いていけませんが、これからも読んで頂けると嬉しいです！ (2020年1月19日 6時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
紫紅兎(プロフ) - あぁぁぁぁぁ臓器破裂しますぅぅぅぅぅえ、もうこの作品作ってくれてありがとうございます…私はもう逝きます…更新頑張って下さいね… (2020年1月18日 23時) (レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - さとう。さん» さとうさん、ありがとうございます！そう言って頂けて、本当に嬉しいです…；； こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月16日 5時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆり | 作成日時：2019年9月17日 21時
