【d!】君死にたまふことなかれ【kn】 (ページ4)

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第四話ページ4

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　｢シッマ…？｣

　彼の自室を軽くノックするも、返事はない。合鍵でこじ開けても良かったが、あんな事を言った手前、実行するのははばかられた。

　不器用ながらに作ったおにぎりは冷めてしまい、熱気はもう残っていない。

　寝ているのだろうか。起こさないように扉の横の壁に食事を置いた。涙が零れそうで、鼻をずび、と啜る。
　
　｢何で…｣

　扉に背中を預け、ずりずりと座り込んだ。迷惑だと罵られても構わない。この未練がましい想いも、悲しみも全て断ち切るから。今だけは、許して欲しい。

　｢酷いよ…シッマ……｣

　彼にはもうあの(. .)事はとても言えない。世界に一人取り残されてしまった様な気がして、Aはすすり泣いた。

　寂しい、嫌だ、と何度も訴え、涙を流す。
　

　それを見守る影がある事も知らずに。

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