用意された舞台 ページ9
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｢あの御方は何方？｣
｢アレクシス公爵のご友人らしくてよ。｣
｢まぁ…とても美しい御方。あの様な方の目に留まれたなら…｣
黄色い歓声を上げひそひそと囁き合うご令嬢。
それを面白くなさそうに見詰めるパートナー。当たり前の事だろう、自分では無く他の男に夢中になっているのだから。
様々な香りの香水が入り交じるこの場所には他のメンバーは行きたがらない。けれど鬱はこの場所が嫌いでは無かった。
人の顔色を常に伺い、誰かに取り入り気に入られようとする者達。何より面で判断し媚びを売ってくる女達を一等嫌がっている者も居る。
だが偶に居る好みの女。その女と一夜を共にする事を楽しみにもしていた。
書記長、トントンが知れば粛清待ったなしだが。
適当にご馳走を胃に入れ、挨拶程度に踊る。
酒が入るとボロが出てしまう可能性がある為、泣く泣く遠慮した。お貴族様のパーティーなのだ、高級なブレンドのワイン等があったろうに。
──お、ええ女おるやん。
プラチナブロンドが目を惹く美しい女。
誰と踊る訳でも無く、静かにそこに座しており。物憂げな瞳の彼女に少なからず魅了されていた。
少し、もしかしたら永遠にも感じる永い時だったかもしれない。それ位の時が過ぎた時、彼女は紫の花を手に徐に立ち上がった。
今逃しては、二度とお目にかかれないかもしれない。
｢ご機嫌よう、美しいお嬢さん。今夜は月がとても綺麗ですね、もう月は見られましたか？｣
にこりと笑みを浮かべる。何時ものへらりとした笑みでは無い、仕事の時に使う甘い微笑み。
惚けてはいけない。これ以上は鬱のプライドも許さなかった。
最初は断られてしまう。案外ガードは固いらしい彼女に更に食い下がり砂糖菓子の様な口説き文句を並べた。すごすごと引き下がる訳にはいかないのだ。
──それに、引っ掛けんのやったら綺麗な女の方がええしな。
これは口には出さなかったが。
『一人で見る月よりも、貴方と見る月の方がもっと美しく見えるのでしょうね。今晩の共は貴方に預けようかしら』
にこりと麗しき笑みを彼女は浮かべ差し出された手を取った。不覚にも胸が高鳴った気がした。
それを無視してちゅ、と手の甲に口付けると彼女をバルコニーまでエスコートする。
互いの剣が、互いの懐に喰い込んだ。
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おつ2(014785wmwi) - 最高だからハッピー○ーンの粉を決めようぜ☆ (2020年7月31日 18時) (
レス) id: b32bfe3549 (このIDを非表示/違反報告)
べす - 朝霧さん» 良い所で焦らすのが趣味ですので()まだまだ物語は続きます！是非またご感想を楽しみにしております！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
べす - サブ垢での返信御容赦を。思わず笑っちゃいましたｗｗｗ再会してからが本番ですので！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
べす - 椿さん» うへへへとにやけてしまいそうな内容にするつもりですので、今後とも宜しくお願いします！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - いいところで、あぁ、うぁ、下の人と同じですまる (2020年7月17日 19時) (レス) id: dd19b1c917 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベス | 作成日時：2020年7月11日 9時
