魅せられる ページ45
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静けさが辺りに漂う。
完全な無音が耳に響く。
まるでこの世に二人だけ残された様な空間に、Aは気まずさを感じた。
何の反応も音沙汰も無い彼に痺れを切らし、彼女はうっすらと目を開ける。
『……ええと、これで満足したかしら？』
｢ぅえ？｣
『さっき言ったでしょう』
目の前には何とも言いがたい、空いた方の片手で顔を抑える鬱。表情はよく見えなくなっている。
いつの間にか煙草は灰皿に捨てられており、薄ら煙を上げていた。
反応が鈍い。まさか効いていないのかと不安になる。
｢あぁ、これやな。返すわ｣
確かに手にある質量に、ぱっと鬱の手を離すと髪飾りを抱き締める。
これはAの半身、無くてはならない宝物なのだ。
弟の変わりの様な物を失くした喪失感は半端なものではない。
贈り物を失くすなどといういい加減な人間とも彼には、ショッピには思われたくなかった。
姉としてのプライド、そして悲しませたくないという真心。
──気に食わない人だけれど、この恩は忘れないわ
『感謝してもしきれないわ…あの時、忘れてしまっていたらと思うとゾッとするもの』
｢そんな大切な物やったら忘れたらあかんよ？｣
『う、そうね…教訓にするわ』
任務中は絶対に酒を飲まないとAは誓った。
大切な物を失くしてしまうのはもうごめんだった。
煙草も吸い終わり、もうこの場所に用はない。
一度軽く会釈をし、踵を返し扉に手をかけると腕を握られた感触が。
『…離して下さる？』
｢っあぁ…ごめんな、また｣
『ええ…また』
するりと手が離れると、彼女は今度こそ扉を閉めた。
髪を靡かせ廊下を颯爽と歩く背中を暫く見詰める鬱。
そしてずりずりと壁に凭れかかり顔を抑えしゃがみ込んだ。
｢はー………どないしよ｣
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おつ2(014785wmwi) - 最高だからハッピー○ーンの粉を決めようぜ☆ (2020年7月31日 18時) (
レス) id: b32bfe3549 (このIDを非表示/違反報告)
べす - 朝霧さん» 良い所で焦らすのが趣味ですので()まだまだ物語は続きます！是非またご感想を楽しみにしております！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
べす - サブ垢での返信御容赦を。思わず笑っちゃいましたｗｗｗ再会してからが本番ですので！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
べす - 椿さん» うへへへとにやけてしまいそうな内容にするつもりですので、今後とも宜しくお願いします！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - いいところで、あぁ、うぁ、下の人と同じですまる (2020年7月17日 19時) (レス) id: dd19b1c917 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベス | 作成日時：2020年7月11日 9時
