少しのスパイスを添えて ページ36
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ぐぐ、と刃を首に宛てがう。
仮にも先輩に当たるが同僚、弟の懇意にしている人達。Aとしても傷付けたくは無かった。
緊迫した雰囲気が漂いだしたその時。
｢あーー！もうやーめた｣
ドスの効いた声から気の抜けた声に変わり、彼はシャベルを手放すと仰向けに寝転がった。
『な、どういう事ですか！？』
構えたナイフを降ろし、Aは素っ頓狂な声を上げる。先程まで殺気を放ち殺しかねない勢いで迫っていた男が急に地面へ寝転がったのだ。奇行に走ったとしか思えないだろう。
｢そのままの意味。君の実力がどんなもんか試してただけやで。最初は怪しんでたけど、尾行したらどこに行ってるんか分かったし？もうええかなって｣
『な、な…！私はつまり、嵌められたのですか』
｢そういう事やな｣
──仕事でしかしないキスもしたのに…！
Aは酷く脱力した。
キスをするにはそれなりの勇気が要る。何年も行って来たが、やはり躊躇してしまうのだ。
｢正直に詫びる、騙してすまんかった。ぴくとさんからも、有意義な情報提供して貰ってんのに｣
シャオロンは胡座をかき、頭を下げた。
Aにも非はあった為、全面的には責められない。
責められるべきは己だったのだから。
『お顔を上げて下さい。疑わしい行動をしてしまった私が悪いのですから』
｢ほんまにすまん…ちょっと強引過ぎた。また今度飯奢るから許してくれ｣
『あら、良いのに…有難くちょうだいしますね』
｢おん。財布に優しいのにしてくれると助かる｣
先輩の言葉には素直に従っておくべきだ。謙遜し過ぎると返って失礼にあたる、とAは師匠から教わっているのだ。
シャオロンは立ち上がるとシャベルを肩に担ぎ、薄く染まった頬をぽりぽりとかく。
｢ま、仲良くしようや。もう…仲間やん？｣
『…！！はい！宜しくお願いします』
Aはとびきりの笑顔で応えた。
辺りに和やかな空気が流れた時、突如居るはずのない第三者の声が響く。
｢…ねぇ、もう通っても良いかな？｣
微笑み合っていた二人は肩を跳ねさせると、声の方向へ振り向いた。
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おつ2(014785wmwi) - 最高だからハッピー○ーンの粉を決めようぜ☆ (2020年7月31日 18時) (
レス) id: b32bfe3549 (このIDを非表示/違反報告)
べす - 朝霧さん» 良い所で焦らすのが趣味ですので()まだまだ物語は続きます！是非またご感想を楽しみにしております！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
べす - サブ垢での返信御容赦を。思わず笑っちゃいましたｗｗｗ再会してからが本番ですので！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
べす - 椿さん» うへへへとにやけてしまいそうな内容にするつもりですので、今後とも宜しくお願いします！ (2020年7月18日 17時) (レス) id: b38f87aa2d (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - いいところで、あぁ、うぁ、下の人と同じですまる (2020年7月17日 19時) (レス) id: dd19b1c917 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベス | 作成日時：2020年7月11日 9時
