飲み会 1 ページ2
何でこんなことになっているんだろう。
「はじめまして〜ミヨ、21歳です！この間彼氏と別れちゃって…良かったらお話聞いてほしいなぁ」
久しぶりに大学時代の友達とお酒でも飲みに行かない？と誘われ仕事終わりに顔を出してみたら男女比3:3というこの現状…
これはもしかしなくてもただの飲み会ではなく合コンでは…？
「じゃあ最後の君！挨拶お願いね！」
「は、はい！はじめましてAA22歳です、あつしくんとは大学時代からの友人で…えと…、よろしくお願いします」
特に何を話せばいいのかも分からなくなり頭を下げるなり座り込んでしまう…はぁ、聞いてないよあつしくん。
場所は個室居酒屋でまぁどこにでもありそうな料理とみんなの飲み物がずらりと並んでいる
「じゃあ、早速合コン始めちゃおうってことで！今日の出会いを祝して〜乾杯〜！」
「「「かんぱ〜い〜！」」」
「か、乾杯…！」
場を仕切っている今日出会ったばかりの男性は早速合コンって言ってしまったし、お酒は好きだけどそういう話ではなく
今日誘った本人に話を振ろうにも目の前で他の女性に既に取り囲まれてる様子。
これじゃ話せる様子でもないか、とちびちびとハイボールを飲みすすめる
「ねぇねぇ、Aちゃんだよね？はじめまして〜」
「…はじめまして、えっと」
オシャレなハット帽を被って隣に近付いて来たのはあつしくんの隣に座ってた人で、可愛い口と大きな目が特徴だなぁなんて思ってたんだけど…
「えぇ、もしかしてボクの名前覚えてない？ボクはAちゃんがフルネームで自己紹介してるの、なんだか可愛いなぁって思って見てたんだよ？」
「うっ…そういえば皆さん名前しか名乗ってませんでしたよね…すみません、私合コン..って初めてで」
「全然！謝る事ないのに。寧ろ…新鮮？って感じかな。……あ、ボクは松野トド松よろしくね」
咄嗟に名前が出てこない私の様子に察したらしく「もう」と可愛く唇を尖らせてはまた名乗ってくれる。
なんだか仕草が可愛くて…こういうのをあざといって言うんだろうなぁ
「さっきも思ってたんだけどさ、Aちゃんの爪可愛いね！オフィスネイルみたい〜」
「！あ、ありがとうございます…！私事務職なんですけど今回のは自分で塗ってみて昨日塗り替えたばかりなんですよ、これ」
私の手を取ってまじまじと見つめると「似合ってるよ」と笑いかけてくれる。慣れない事にむずむずとしてしまうが素直にお礼を告げるとまた小さく笑われる
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作者名：ハイビ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月20日 2時
