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「＿＿＿で、何？恋愛相談って」
明らかに高級なロココ調のソファに座っていると、ゲームを終えた彼が話しかけて来た。
こんな中世ヨーロッパみたいな部屋でマイクラしてんじゃねぇよ…
結局私に甘いぴくとは、邪険に扱いながらもこうやって優しくしてくれるのだ。
出来た兄貴だなぁ…(しみじみ)
「バレンタイン、好きな人にあげたいの」
「あげればいいじゃん」
「男の子もらう側だからそう思うかもだけど」
はぁ？と言いながら彼はホワイトチョコを一粒口に放り込んだ。
「何が問題なの？」
「………あげる勇気がない」
「………なるほどね」
少し目線を外して言うと、彼に半ば呆れたような顔をされた。
「A、お菓子作りできたっけ？」
「いや、あんまり作れない…だけど今回は簡単なものを作ろうと思ってるから……うぅん…でも簡単なものって失礼かなぁ……」
「これあげれば？」
そう言って、私はまだ口をつけれていない高級チョコレートを指さしてきた。
「まだうちにたくさんあるし、Aん家にもあげようと思ってたし」
「…………」
「なんで黙るの」
「いや…男の子ってみんなこう、ドライなのかなって……」
私は深くため息をつきながら、私を皮肉しているかのような宝石みたいな紫色のチョコレートを口に運んだ。
ブルーベリーの酸味とカカオのほろ苦さが口内に広がる。
＿＿＿＿結局この日は何も解決しないまま、帰路につくのであった。
もちろんチョコレートはいただいた。
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うさ(プロフ) - ヒーローは遅れてやってくる、普通にお話として大好きです。最後のオチの文が綺麗で素敵です。応援してます。 (2019年4月24日 15時) (
レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 短い中でストーリーをまとめ、なおかつ綺麗なオチのある作品に仕上げる東雲さんの作風が本当に大好きです。簡潔なんだけど丁寧で飽きのこないというか。あっ勿論東雲さんのギャグセンスも愛してます。無理のない範囲で更新頑張ってください。 (2019年4月20日 0時) (レス) id: 965a17df9d (このIDを非表示/違反報告)
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