シ ガ レ ッ ト の 口 づ け ページ17
「それやめてって言ったじゃん」
「え？」
いつものように自宅でタバコをふかしていると、遊びに来ている年下の彼女が少し怒り口調でそう言ってきた。
「え、なに？タバコやめろって？」
「そうじゃないけど…ここで吸わないで」
「でも俺ニコチンないと死ぬわ」
にへらと笑って返しつつ、俺は灰皿にタバコの先を押し付けた。
可愛い彼女のお願いだ、仕方ない。
「なんでたばこ吸うの？美味しいの？」
「Aはまだ成人したばっかりやから知らなくてええんやで」
「そうやってすぐ子ども扱いする…」
ムッとした様子の彼女の頬を「だって子どもやんか」と言ってつつく。
「もうお酒飲める」
「下戸なのはどこの誰？」
「うるさい…！」
「私と一緒にいる時たばこ吸わないでくれる？」
「え〜？」
俺がわざとらしく言うと、彼女は再度ムッとした表情でぐりぐり頭を押し付けてきた。
「おねがい、ね？いいでしょ」
「ん〜、せやなぁ…」
もちろんタバコを辞める気はさらさらない。
ただ、もうすぐこの可愛い彼女と同棲を始める予定なので少しタバコの本数を減らすと思うと、今からニコチン不足で死にそうだ。
「＿＿＿＿……じゃあ、口寂しくなったらちゅーしていい？」
「…へ？」
俺は彼女の後頭部を掴んで自分の方へ引き寄せ、ちゅ、と軽くキスを唇へ落とした。
少し動揺して胸板を小さな力で押してくる彼女に逆に男心をくすぐられる。
「…んッ、ふ…ぅ……ちょ、まっ……ッ……！」
「待たない」
少し空いた口に舌をねじ込み、彼女を捕らえて離さないように絡ませた。
「や、ま…って、」
「…………は、もう無理？」
俺の事禁煙させたいんやなかったん？とにやりと笑って言うと、彼女の顔は少し赤くなった。
「い、いいよ！！ちゅーしていいから！！絶対禁煙してね！たばこ絶対吸っちゃだめ！！」
「えっ普段も！？」
＿＿＿＿という訳で、俺の禁煙(絶対無理)が始まった。
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うさ(プロフ) - ヒーローは遅れてやってくる、普通にお話として大好きです。最後のオチの文が綺麗で素敵です。応援してます。 (2019年4月24日 15時) (
レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 短い中でストーリーをまとめ、なおかつ綺麗なオチのある作品に仕上げる東雲さんの作風が本当に大好きです。簡潔なんだけど丁寧で飽きのこないというか。あっ勿論東雲さんのギャグセンスも愛してます。無理のない範囲で更新頑張ってください。 (2019年4月20日 0時) (レス) id: 965a17df9d (このIDを非表示/違反報告)
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