【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ弐拾漆　三人が可愛い ページ28

午後に蝶屋敷に戻ると、カナヲが駆け寄って来た。
その空気は、普通の人より薄かったけれど、複雑な感情が入り混じっていて、どんな気持ちか感じ取り難かった。


「カナヲ、久しぶり」


「A、カナエ姉さんは…」


そう言うと俯いてしまった。
きっと、その先は言いたくなかったのだろう。
それと同時に微かにどんよりとした暗い空気に変わった。
私はしのぶさんにしたように、頭を撫でた。
すると、カナヲは驚いて顔を上げて、私の目を見た。


「カナヲ、あのね？カナエさんは、しのぶさんとカナヲの笑顔が好きなんだって」


「え？しのぶ姉さんと、私の…笑顔…？」


「うん！だから、笑顔作るの難しいかもしれないけど、カナエさんが目を覚ましたら、笑顔で『おはよう』って言ってあげようよ。きっと、ううん、凄く喜ぶと思うよ！」


私がそう言うと、目をこれでもかという程目を見開いて、笑顔…とぽつりと零した。
そして、彼女の纏っていた空気が、暗いものから明るいものに変わった。
私は何か違う事をしようと、彼女の手を握って奥へ進む。
後ろにいる錆兎と真菰も便乗したのか、二人で手を握っている。
え、めっちゃ仲良しじゃん。
可愛い。スマホがこの時代に無いのが残念である。
…そういえば、何処に行くか決めてなかった。
というかそもそも、蝶屋敷ってまだ敷地内のこと知らないし。
思い立ったらすぐに行動してしまったことに苦笑した。


「ごめん。カナヲ、蝶屋敷の案内してくれない？まだ敷地内のことよく知らなくて…」


「分かった」


そう言うと、カナヲは私の手を引っ張って歩き出した。
うん、可愛い。
最近、可愛いしか言えない私は、重症なのかもしれない…。
誰か可愛いを連呼するのを止める方法を知らないかな。

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