【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ参拾漆　鬼を連れる理由と花柱の意思 ページ38

「そして何より、悪鬼から人々を守れるように、味方で在りたいと心の底から思っています」


そう錆兎は言った。
柱合会議で錆兎が口を開いたのは初めてかもしれない。
そして、隣に居る真菰も一瞬驚いている私の方を見て笑った後、口を開いた。


「私達は確かに鬼ではあります。しかし、私達には悪鬼を斬る覚悟、そして、人間であるAと共に生きる覚悟があります。どうか、そのことを理解してほしいのです」


「俺は、最初は鬼になってしまったことに恐れ、焦り、挙句の果てには死を望みました。しかし、Aが俺の為に精一杯のことをしてくれたことを知って、生きることを選びました」


真菰の後に続いて再び言葉を紡いだ錆兎は、私を見て頷いた。
最後は私が締めくくれってことですか。


「私は人間を喰う悪鬼のみを斬るようにしています。鬼だって良心を持つ者だっている。錆兎と真菰はその内の二人なのです。私は二人の意思を尊重して、一緒に居ます。…これが、私が鬼である錆兎と真菰を連れている理由です」


そう言うと、伯父様は微笑んで、ありがとうと言い、カナエさん達は優しく微笑んでくれた。
そして、新たな柱の四人は驚いたような空気で固まっている。
でも、警戒している空気は無くなったから大丈夫かな。

その後は私とカナエさんで、あの日のことを報告した。
そして、最後にカナエさんは言った。


「私は柱を降りようと思っております」


私は驚いて、カナエさんの方を見た。
宇随さんや悲鳴嶼さん、他の柱も驚いたような空気を漂わせて、カナエさんを見る。


「理由を聞いてもいいかい？」


伯父様が優しく訊ねると、カナエさんは素直に答えた。
呼吸が衰えてしまったと彼女は言った。
そして、上弦の鬼と戦って、まだまだ実力が足りないと感じてしまったと言った。
カナエさんははとても悲しそうに笑っていて、胸が痛んだ。
もっと出来ることがあったのではないか。
そう思わざるを得なかった。
伯父様は、静かに彼女の話を聞いた。


「それがカナエの意思なら、私は反対しないよ。聞かせてくれてありがとう、カナエ」


「こちらこそ、聞き入れてくださりありがとうございます」


静かに頭を下げたカナエさんは、この日以降花柱を降り、甲の鬼殺隊として刀を振るうことになった。

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