其ノ参拾陸 人の心を持つ鬼 ページ37
「新たな柱の皆様、はじめまして。私は産屋敷耀哉様の遠戚の天龍院Aと申します。そして、ここに居る者は、鬼の錆兎と真菰でございます。どうぞ宜しくお願い致します」
そう言って、お辞儀をする。
四人の居る方からは凄い疑うような空気が漂ってきた。
一つだけ、驚きのような怒りのような様々な空気が入り混じっているものもあるけれど。
…なんというか、アニメでは冨岡さん以外は、殆ど出てきていないから、よく分からない。
…大丈夫だろうか。
「お館様。畏れながら、その娘は何故斬る対象である鬼を連れているのかご説明頂いてもよろしいでしょうか」
そう最初に口を開いたのは伊黒さん。
首にいる蛇は此方をじいっと見ている。
伯父様は私の方を一瞬見て言った。
「そうだね。理由を明確に簡潔に言うとすれば、それは彼らは人間の心を持っているからだ」
「人間の心…ですか…?」
「そう。彼らは普通の鬼と違って、鬼から人の尊い命を守り抜こうとする意志があり、平和になる事を望んでいる。その証拠に、錆兎は三年、真菰は一年以上人を喰べていない」
すると、四人は凄い勢いで、此方に視線を向けた。
…多分、私ではなく、膝の上に居る錆兎と真菰に、だろうけれど。
そして、伯父様は数ヶ月前にカナエさん達に言ったことと同じような内容を四人に伝えた。
「そして、今回、花柱のカナエを守る為に、二人はAと共に、上弦の鬼との戦いで日輪刀を握ってその刃を振るった」
ね、A。
そう言って、私を見る伯父様。
…あとは私達が、ということだろうか。
「はい。錆兎と真菰は、最終選別で異能の鬼に喰われかけていた人間です。死にかけていたところを、上位精霊という人間でも鬼でも無い存在が助け、二人を限りなく人間に近い鬼に変えました」
その途端、冨岡さんの表情が少し変わった。
もしかしたら、百合さんを見たのかもしれないな。
──実は錆兎と冨岡さんが同期で同じ師から学んでいた事は以前錆兎から聞いていた。…まぁ、その話はいつかまた何処かで。
私はそんな冨岡さんを見て見ぬふりをして、話を続けた。
「なので、二人は日光に当たることも出来るし、鬼の先祖である鬼舞辻無惨の名を言う事が出来ます」
すると、膝の上に居た二人は私の膝から降り立ち、縁側から降りて、元の大きさに戻り日光を浴びた。
それを見た四人は動揺したのか、空気が揺れた。
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抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - あやめさん» 嬉しいです!1ヶ月近く更新出来ずにすみません…。早く新しい話を読んで頂けるように頑張ります!コメントありがとうございました! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - とても面白かったです!これからもがんばってください!更新お願いします!!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - (=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢さん» はじめまして!型の提案ありがとうございます!とても良いですね!是非採用させてください!説明もつけて頂きありがとうございます! (2020年4月15日 8時) (レス) id: 606e94aca2 (このIDを非表示/違反報告)
(=゚ω゚=)にゃあ@サブ垢(プロフ) - はじめまして。型のことですが、「巻雲・天波虹」けんうん、あまはにじ というのはどうでしょう?説明半円を描くように何回も切る。それは相手には遅く見えるが、実際はものすごい勢いで切りつけている…的な。 (2020年4月15日 2時) (レス) id: ed1bcccac4 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶うさぎ@琥珀(プロフ) - チョコさん» 了解です!返信ありがとうございます! (2020年3月13日 11時) (レス) id: 00cd6a155e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鷹麦 | 作成日時:2019年12月21日 19時