(heroine side)過去 ページ10
清水A28歳。
横浜で生まれて、両親の離婚を期に、小学校に上がる前、母と母の実家のある東京に来た。
とはいえ、実家では住ませてもらえず、母子手当てをもらって都営団地での生活。
経済的には厳しかったみたいだけど、いつも怒鳴ってた父がいないから、それだけでスゴく幸せで平穏だった。
母は朝晩毎日働いて、高校卒業と同時に過労であっけなくあの世に行ってしまって、、
就職が決まってた私は、母が私名義でかけてくれてた保険金でアパートを借りた。
下町の小さな工場で働いてた私は、そこに営業で来てた25歳の銀行員の男性と知り合った。
最初は社長に取り次ぐだけの関係だったけど、
「今度、食事に行きませんか？」
ある日、裏に携帯番号とLINEのIDを書いた名刺をもらった。
食事くらいなら、って軽い気持ちでお誘いを受けたけど、向こうは最初から猛アプローチで(笑)
『お友達から、、』
彼は、男性と付き合ったことがない私のペースに付き合ってくれて、
1年後、
『付き合ってもらえますか？』
「よっしゃー！」
『(笑)』
私から改めて告白して付き合うようになった。
夫の性格は穏やかで優しくて、
「結婚しよう。」
ってプロポーズされた時は、迷うことなく受け入れる。
23歳の夏、私は男の子を出産した。
夫は病室で、息子の小さな手を握りながら、
「花屋を開くのが夢なんだ、、」
って、はにかんで話してくれた。
『じゃあ、節約頑張らなくちゃ(笑)！』
夫は夜遅くまで働いて、私は少しでも貯金出来るようやりくりして、、
27歳の夏、
「これからだな、、」
『うん、頑張ろ！』
オープンの日の朝4時、息子も連れて初めての仕入れに行く。
朝でも蒸し暑くて車の窓を全開で走ってて、
息子はチャイルドシートで気持ち良さそうに眠ってる。
バイパスに乗ってすぐだった。
「あのトラック危ないなー、、」
夫がバックミラーを見ながら呟いた刹那、
「、、っ！」
『、、っ！』
そのトラックが右斜め後ろから勢いよくぶつかってきて、、
私は開いた窓から外へ放り出された。
夫と息子が乗った車は壁とトラックに挟まれながら引きずられて、半分ほどの車幅になって数十メートル先で止まった。
『、、いた、、』
私の右足首は、どうなったのか分からないけどあり得ない方向に曲がってて、
救急車やパトカーが来た頃には、私は意識を失ってて、
目が覚めたら、夫と息子の遺体はすでに夫の両親が連れて帰ってて、１度も会わせてもらえなかった。
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まるなす - ひよりんさんの小説好きです。これからも楽しみに待ってますね。 (2019年9月21日 20時) (
レス) id: e561b9b5e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 応援ありがとうございます！頑張りますっ(￣▽￣)ゞ (2018年1月8日 23時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - こちらこそありがとうです!!実はこれにのめり込んだきっかけが追い恋で… 追い恋を読み始めて直ぐひよりんさんのファンになりました(笑)勝手なんですがこれからも応援しています！ (2018年1月6日 0時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 全部読んでくれたんですか！？ありがとうございます(σ≧▽≦)σ頑張ります！！ (2018年1月5日 21時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - 一気に読んだんですが…めっちゃ泣きました！！今でも泣いてます(笑)あと、ひよりんさんの小説、全部読ませて戴いたんですが、全部いい話で、、全部泣きました。。。(苦笑)頑張ってください！ (2018年1月4日 23時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよりん
| 作成日時：2017年9月26日 23時
