(heroine side)敵意 ページ13
長く歩いた右足は酷く痛んで、我慢できなくて、途中でタクシーに乗って帰った。
家に入って、なだれ込むように和室に寝転ぶ。
髪の毛はメチャクチャで、ワンピースもしわくちゃ。
ふと目をお仏壇に向けたら、夫と息子が笑ってる。
『、、ごめんね、、ｸﾞｽｯ(泣)』
彼に抱かれた時、触れ合った肌があたたかくて泣きそうになった。
彼にとってそれが遊びだとしても、
私にとっては夫と息子と別れて以来の人のぬくもりだった。
私は、、
彼に惹かれてる。こんなに酷いことされても
彼に会いたいと思ってる。
でも、、
『もう会わない。人を好きにならない。』
花屋をオープンした時決めたじゃない。
彼への思いは胸の奥にしまって、彼の携帯の番号もアドレスもブロックした。
しばらく穏やかな日々が続いた。
もうすぐ夫と息子の命日。
このまま静かに過ごしていきたいと思ってた。
当日、
お仏壇にたくさんお供えして、アルバムを広げて思い出に浸る。
そしたら、
「Aー。」
彼の声が聞こえた。
私を呼ぶ声はとても優しくて、少し鼓動が早くなった。
トントンって階段を上る足音がする。
数秒後、
「A？」
声と同時にふすまが開いた。
彼は、少し驚いた感じで写真の二人のことを聞いてきた。
私は本を読むように淡々と話した。
彼はその間黙って聞いてて、全部話し終わってから、しばらく沈黙が続いたあと、
「なぁ、、」
彼の重い口が開いて、いくつか質問をしてきた。
足のこと、この花屋のこと、夫や息子のこと。
「勝手に墓行って拝んだらええやん。」
『どこにあるのか分からないの。』
「結局離婚したん？」
『うん、した。』
「滝沢が旦那の名字？」
『うん、そう。』
「１年か、、」
『、、どうしたの？』
「、、何が？」
何だか敵意が全く無くて拍子抜けしちゃう。
「俺、好きになった女はめっちゃ甘やかすタイプ。」
『、、』
「やから、Aのこと好きになったの！」
ビックリした。いつから？ どのタイミングで？
「分からん。多分２回目会ったとき、Aが笑った時やと思う。」
『細かい、、』
「だまれ。」
素直に嬉しい。私も彼が好きだ。
彼に抱きしめられたらどんなに幸せだろう、、
でも、、
『ごめんなさい。まだ恋愛は出来ない。夫と息子を裏切れない。』
それに、右足のハンデは彼に迷惑かけるだけだ。
私は、彼の告白を受け入れなかった。
彼は、章大さんは、
「わかった、、」
そう言って帰っていった。
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まるなす - ひよりんさんの小説好きです。これからも楽しみに待ってますね。 (2019年9月21日 20時) (
レス) id: e561b9b5e6 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 応援ありがとうございます！頑張りますっ(￣▽￣)ゞ (2018年1月8日 23時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - こちらこそありがとうです!!実はこれにのめり込んだきっかけが追い恋で… 追い恋を読み始めて直ぐひよりんさんのファンになりました(笑)勝手なんですがこれからも応援しています！ (2018年1月6日 0時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ベリー��Toppoさん» 全部読んでくれたんですか！？ありがとうございます(σ≧▽≦)σ頑張ります！！ (2018年1月5日 21時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
ベリー��Toppo - 一気に読んだんですが…めっちゃ泣きました！！今でも泣いてます(笑)あと、ひよりんさんの小説、全部読ませて戴いたんですが、全部いい話で、、全部泣きました。。。(苦笑)頑張ってください！ (2018年1月4日 23時) (レス) id: 8865345ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよりん
| 作成日時：2017年9月26日 23時
