人殺しと呼ばれた少年と消えた殺人鬼【完結】【短編】 (ページ5)

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おじいちゃんはこれから起こることを見越して僕に君の殺し方を教えたんだ。

あの日の夜、おじいちゃんは国に敵国に君が盗まれたことをきちんと報告したんだ。

そして、ちゃんと対処もしてある。と。

だけど、国は許さなかった。その数年間の間に君を使って敵国がこの国を滅ぼしにきたら、

ごめんで済む話じゃないんだぞ！って。

おじいちゃんはね、敵国にこの国に1人で国一つ分滅ぼせる力のある人形があるっていう

噂が流れていることを知って、わざと敵国に数年後にその人形は力が暴走するという話を流したんだ。

そうすれば、もし君を盗まれたとしても向こうも自分たちは死にたくないはずだから

いつ暴走するか分からない君を必ず監禁して、暴走しても大丈夫なように策を考えるはずだし、

1人で国一つ分滅ぼせる力のあるやつの力を完全にコントロール出来るようになるまではこの国に攻めて来ないだろう。ってね。

そして、完全にコントロール出来た時ってのは君の暴走を防ぐことが出来た日ってわけだ。

ここまで説明したのに、おじいちゃんはこの国に危害を及ぼす者として、敵国に国家機密のものを奪われた罪として、死刑になった。

……はい。話はこれでおしまい。

どうだった？自分の正体分かって………。

俺は今から君を殺すよ。

おじいちゃんの形見。

おじいちゃんの最後のお願い…。」

僕はじっと黙って君の話を最後まで聞いた。

一気に話した君は、話の後半から泣いていた。場違いにも僕はその君の涙が綺麗だと思ってしまった。